あままこのブログ

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KONY 2012についてメモ

最近ソーシャルメディアで拡散されつつある「KONY 2012」という動画。ウガンダの反政府勢力『神の抵抗軍』のリーダーであるジョセフ・コニーを、2012年自由に捕まえようというキャンペーンで

日本語メディアでも紹介されつつあるわけですが
全世界ですごい勢いで視聴される動画『KONY2012』に込められたメッセージ | ロケットニュース24
これに対して色々批判とかが出てきて、単純に賞賛されていると言うよりは、議論の的になっているみたいです。
Kony 2012: what's the real story? | theguardian.com
「KONY 2012」の動画の主張は簡単に要約すると

  • ジョセフ・コニーという人間は、子どもたちを誘拐し、レイプをしたり、子ども兵士に仕立てあげたりしている。
  • 彼は国際刑事裁判所から指名手配されているが、未だに捕まらない。その理由は、ウガンダ軍を国際社会が支援していなかったからだ。しかし私達の運動により、アメリカ軍がウガンダ軍を支援するようになった。
  • ウガンダ軍の支援を継続・強化し、2012年以内にコニーを捕まえるために、文化人や人々にこの問題を知らせ、政治家にこの問題に関心を持つよう呼びかけよう
  • ポスターやブレスレットなどを販売しているから、これを購入・使用して運動を支援して欲しい。

これに対して、次のような批判が出ている。

  1. ウガンダ政府軍を全面的に支援しようというが、ウガンダ政府軍にも色々な人権上の問題がある。*1
  2. ジョセフ・コニーは以前は大きな勢力だったが、今はかなり小さな勢力である。ここで再び戦争を激しくすることはよくない
  3. コニーは今ウガンダにはおらず、隣国を転々としている。
  4. そもそも、子ども兵士が生まれる背景には、貧困問題や、ウガンダ国内の地域格差の問題がある。今ウガンダに必要なのはそのような貧困問題に対する継続的な支援である。コニーを捕まえたって、そのような問題を解決しない限り、またすぐに第2、第3のコニーが出てくるだろう。
  5. アメリカ軍がウガンダ政府軍を支援し始めた背景には、最近ウガンダで石油が発見されたということがある。「コニーを捕まえるためにウガンダ政府軍を支援しよう」というのは、資源獲得のためという理由を隠すプロパガンダにすぎない。
  6. ポスターやブレスレットなどを販売してお金を儲けたいだけじゃないのか?

(それぞれの主張の内容の裏は全然取っていないのであしからず)
まあ簡単にまとめてしまうと「コニーっていう極悪人を捕まえようぜ!」v.s.「コニーを捕まえればそれで済むみたいな単純なものじゃねーし。ウガンダに必要なのは継続的な支援のはずなのに、お前らどうせすぐ飽きるんだろ?」みたいな、まぁ日本でも散々よくある対立ですね。


自分の感想としては、この運動の一番の問題は、その運動の目標が「他人にこの事実を知らせよう!」という、簡単に出来てしまう行為である点にあるのかなーと思ったりします。それこそパソコンの前で「#拡散希望!」みたいなツイートをクリックひとつでRTして、それで自分が何かいいことをしたような感覚になる。それは、やっぱりこれまで地道にこの問題に取り組んでた人からすれば怒るだろうし、それだけ行為が軽いと、すぐ忘れちゃう可能性が高いといえるでしょう。
ただしかし一方で、じゃあこの「KONY 2012」という動画がなかったら、おそらくこのようなウガンダや子ども兵士に関する議論が盛り上がることもなかった、
でも逆に、こうやって「祭り」的に議論か盛り上がることによって、これまで本当の必要で継続的な支援を行なってきた人が影に隠れてしまったり、祭りが終わった後に、祭り前より支援が減ってしまうみたいなことも、よくある。
ま、難しい問題ですね。

追記

4chanでの、KONY 2012への反応
Funny KONY Jokes | The Best Internet Memes/Reactions to KONY 2012

ああ、ほんと4chanって向こうの2ちゃんねるなんだなw

*1:ちょっと検索してみると、[http://rafiq.jp/siryou/Uganda_kutsuu.html:title]などが引っかかりました