あままこのブログ

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LOFTのバレンタイン広告にたいする反応を見て、考え込んでしまう

LOFTのバレンタイン広告がネット上で炎上しているそうで。 www.huffingtonpost.jp twitterから引用すると、女性たちはこういう理由で怒っているそうです。

まあ、これ自体は正当な理由の怒りだとは思うんですよ。

でも、続くこのツイートを読んで、なんか「うーむ」と、考え込んでしまったんですね。

そしてそうやって考えているうちに、TLに、今回の広告の対案として以下のような漫画が投稿されているのを見て、ますます僕は考え込んでしまうのです。 なぜなら、僕のようなおじさんの感性からすると、むしろ後者のような「バレンタインにみんな仲良くハッピー!」みたいな広告こそ、嘘くさくてうんざりしてしまうようなものに思えるからです。

広告に「毒」があってはいけない時代

僕なんかは、基本80年代文化に憧れて育ってきましたから、広告っていうのを「アーティスティックな表現」が許される場として見てしまうんですね。で、そういう視線からすると後者のような表現は、あまりに陳腐に見えちゃうわけです。「女の子はみんな可愛くて仲良し!」って、道徳の教科書じゃああるまいしと。そして、むしろそういう「女の子はみんな仲良し」みたいな女性に押し付けられたファンタジーを壊すことが、問題提起的で新鮮なんじゃないのと思っちゃうわけです。多分この広告の作り手たちも、そういう考えのもと広告を作ったと思うんですね。

ところが、今の若い世代にとっては、むしろそういう考え方のほうが「古臭い」ものになってしまっているんですね。広告にアーティスティックな表現が出ることが当たり前になってくると、その反動として「いや広告ってもの売るための表現でしょ。何勘違いしてんの」ということになり、「女の子はみんな仲良し!」みたいなファンタジーが壊されたあとに出てきた「女の子はみんなギスギスしてる」みたいなステレオタイプこそが、攻撃されるべきものとなった。だから今回の広告は、ここまで批判される。

それ自体はまあ良いんですよ。かつて新しかった考え方が今は古くなるっていうのは当然のことだし、そして、広告とかに携わる人間なら、そういう時代の流れについていけてないことは、罪であるとすら言って良い。

でも、その対案として出てくるのが「女の子はみんな可愛くて仲良し!」っていう、道徳の教科書に出てきそうな光景というのは、なんか違うんじゃないかなあと。

まあ、女性のことは女性が決めて考えるべきことなんで、本来僕が口を挟むべき問題ではないってことはわかってる、わかってるんですけどね。

でも、例えばもし男性向けの広告で、「男同士の友情の絆は永遠だぜ!」みたいな表現が出てきたら、まあBL好きの方はキャーキャー叫ぶのかもしれませんが、少なくとも僕は「うげー」と思います。そんな男同士のホモソーシャルって美しいものじゃないし。むしろそこから疎外されるような人間のことを考えてくれよと、思ってしまうでしょう。

女性にはそういう「女性同士の絆とか嘘くさいし」っていう感情って、ないんでしょうかね?いや、ないならまあ良いんですけどね……