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あままこのブログ

役に立たないことだけを書く。

アイドルと物語

世界を揺り動かさなかった一日間 - 斜め上から目線
みたいなことを書いていたら今度はロッキングオンとかいう雑誌のインタビューで熱愛報道されなかった人の発言が話題を呼んでいるようで。
まぁ、あーちゃん?*1とやらが本当にどう思ってるのか何てことは分かりっこない、分かるとしたらそれは全て事が済んだ後になってしまうだろうから、「正解探し」はここではしない。僕がperfumeの女の子を好きだったら分からないなりに推理するかもしれないけど、別に僕は音楽は結構好きだけどそんなにキャラが好きなわけではないし*2
それはともかくとして、今回の騒動に対する反応というのは、主に二つに分かれているみたいだ。

  • 記事をベタに受け取って、「あーちゃんはこんなに苦しんでいる。ヤスタカ許すまじ!」という立場をとる
  • 記事がロッキングオンの記事であると言うことをメタ情報として重視して「まぁロキノンはこういう物語をアーティストに付与するの好きだよね」という立場をとる

で、最初は前者の立場が隆盛していたのだけれど、段々騒動がクールダウンしてきて、むしろそういう騒動をニヒリスティックに眺めることが出来る、後者の立場の方が人々に好まれるようになったというのが、今の状況だろうか。
で、ここで後者の人たちはよくこんな発言をするわけだ。「Perfumeはそんな物語とか必要じゃないし、本人もプロ意識を持ってやってるわけだから、そんな『自分を道具みたいに扱うな』という陳腐な感情は抱かないだろう」って。まぁ、物語消費からデータベース消費*3に変わっていくとされる、今の時代の雰囲気にも適合的な見方だなぁとは思うのだけれど……
でも、それもまた、なんかPerfumeに過剰な期待を押しつけているって気がしてならないんだよねぇ。
だってさ、そりゃ確かに今回ロキノンの記事に描かれていたような苦悩っていうのは、それこそどこの70年代アイドルの話だっていうぐらい陳腐化した話だって僕も思うよ。でも、じゃあそれをこれまでのアイドルが克服できたかって言ったら、それはどのアイドルも苦しんできたものな訳で、確かに陳腐な悩みではあるけれど、逆に陳腐であるが故に普遍的なものであるということもできるわけじゃん。大体、人間存在ってもの自体陳腐なものなんだから。そんなたかだかアイドルっていう存在が生まれて数十年ぐらいしか経ってないというのに、そんなにアイドルって言う人種がニュータイプみたいにその様な苦悩から逃れられる存在になるっていうのは、どーも想像出来ないんだよね。*4
そういうことを無視して、「Perfumeは完璧な存在なんだから、そんな苦悩なんて抱くはずがない」って声高に述べる人って言うのは、むしろ、Perfumeに「そういう物語的な存在から脱したデータベース的存在」っていう、また別様の物語を押しつけているかのようにしか見えないんだよねぇ。つまり、自分が彼女たちを苦しめていないっていう免罪符が欲しい訳だ。でもそれって、僕の感覚からすると、なんかずるいなぁっていう印象が、どうもあるんだよね。
だから、僕が今回の騒動で最もうなずいた発言って言うのは、騒動の発端のブクマコメに書かれていたこれなんだよね。
はてなブックマーク - Perfume あ〜ちゃんの壮絶な苦悩と絶望の吐露、そして彼女は壊れてゆく@Rockin'on JAPAN 09年7月号 - Aerodynamik - 航空力学

id:ululun perfumeファンって彼女達にこういう苦悩や絶望がある事を知っていて、その苦悩と絶望を観客席から「消費」している存在だとばかり思っていたのだけれど、違ったのか?

実際にあるかないか、それは何度も言うけど、分からないですよ。でも、誰かをアイドルという存在として祭り上げるっていうことは、根本的にそのような苦悩や絶望を相手に背負わせるかもしれない、そんな可能性を持つ行為な訳でさ、アイドルファンはその業からは逃れることは出来ない。その業に正面から向き合って「ええそうです、僕は自分が楽しければそのアイドルの女の子が幾ら不幸になろうがどうなったって構わない、そんな外道ですが何か?」って言えたとき、初めてアイドルファンたり得るのだと、僕は思うんだよね。
昨今のperfumeブームの何が嫌だったかって、そういうアイドルを好きになるってことの業から、ファンが目を背けているってことなわけよ。「これこそが誰もが幸せになれる新しいアイドルの形だ!」って、彼らは言う。でもそれは結局「そういう事にしておけば、自分の業を見なくてすむから」言う、逃げの言葉としか僕は捉えられなかったんだよね。
そういう欺瞞に満ちたperfumeブームに冷や水を浴びせ、Perfumeを好きな奴らって言うのが、そういうアイドルファンに最低限要求される覚悟すら持たないヘタレであることが分かったという点で、今回の騒動は有意義だったんじゃないかなぁと、僕は思いました。

*1:未だに3人の誰が誰だか見分けが付かない

*2:というかむしろ逆にキャラは嫌い。いかにも「良い子」な感じが妙にむかついてくるのだ

*3:ええ、覚えたばかりの言葉を使いたがる亜インテリですが何か?言葉の本当の意味なんか全く分かっていませんが?

*4:もちろんだからといって、今回ロキノンに描かれたような「苦悩」が真実であるとは言えない。だけど、一方で「嘘」と断言することも出来ないんじゃないって、僕は言いたいの