インターネットで自死について書くときに、書くべきこと・書かざるべきこと
とりあえずまずガイドラインを載せておく。メディア関係者向けのガイドラインではあるけど、ブログを書いたりSNSでコメントする人も、気をつける指針にはなると思います。
するべきこと
- 自殺を考えたり自殺の危機が高まったりしたときに、どこに、どのようにして助けを求めればよいか、正しい情報を提供する
- 自殺や自殺予防に関して、正確な情報に基づいた事実を周知する
- 生活の中でストレスを抱えたり、自殺を考えたりしたときの対処法や助けを求めることの大切さについて報道する
- 有名人の自殺を報じる際には、特に注意を払う
- 家族や友人などを自殺で亡くした方、自殺を考えたことがある方や自殺未遂をしたことがある方に取材をする際には、慎重に行う
- 自殺について報道するときに、メディア関係者自身がその影響を受けてしまう可能性があると認識する
してはいけないこと
- 自殺に関する内容をトップニュースとして扱ったり、報道を漫然と繰り返したりしない
- 自殺の手段を描写しない
- 場所に関する名称や詳細な情報を伝えない
- 自殺をセンセーショナルに扱ったり、美化したり、よくある普通のこととして扱ったり、あるいは問題を解決する有効な方法のように紹介したりする言葉やコンテンツは使用しない
- 自殺の原因を単純化したり、一つの要因に決めつけたりしない
- 見出しにセンセーショナルな言葉を使わない
- 自殺関連の写真、ビデオ映像、録音した音声、デジタルメディアやソーシャルメディアへのリンクを使用しない
- 遺書の詳細を報じない
相談窓口として、僕はまず最寄りの医療機関や精神保健福祉センターなどををおすすめします。
はてブのホッテントリを見ていて思うこと。
最近、インターネットで有名な、プログラマーの方の自死が、ネット上で伝えられました。
多くの人がそれについて、ブログや匿名ダイアリーなどで記事を書き、はてなブックマークのホットエントリにもいくつか記事が上がってきています。
僕は、その人についてはネット上での断片的な情報しか知らないのですが、僕の知り合い・友人は結構その人と関わっていたみたいなので、もしかしたらそれによるパーソナライズもあるのかもしれません。
ただ、それを見ていて僕が一番思ったのは、「なんかこの状況危うくないか?」ということなんですね。
もちろん、その人に関わっている方からしたら、その人が死んだショックというのは、なかなか受け止められるものでもないでしょうし、その中でグリーフワークの一つとして、追悼の文章を書くというのも、場合によっては有効かもしれません。
ただ、個々人の意図がどうであれ、ホッテントリにある人の自死についての記事が多く掲載され、その中で「死に至った経緯」みたいな事に関する断片的情報がいくつも伝えられると、まさしく上で挙げたような「してはいけないこと」が、そのままはてなブックマーク上で再現させられちゃってるような気がするんですね。
さらにいえば、そこにはてブやSNS上で、簡単にかける一行コメントが多く書き連ねられると、更に悪い効果を生むことも考えられるでしょう。
精神疾患や特性との結びつけについて
特に、今回自死された方の、精神疾患だったり、特性の件をことさらに取り上げる記事は、正直僕が読んでもちょっと不安を煽られるわけです。
「こんな能力が高い人でも、ここまで苦しんでしまうのだから、ここまで能力の高くない自分なんかは、もっと大変なことになるんじゃないか」みたいな、そんな不安。
というか、そういう不安を、彼に関わったり、彼について知っている人の多くが、抱いてしまったからこそ、その不安をなんとか言語化しようと、記事を書いているという側面もあるわけで。僕が今書いているこの記事も、その側面がないかといえば嘘になる。
でもだからといって、「彼の死から適応に関して教訓を!」とかやっても、空回りするというか。
某映画の台詞じゃないですが、「あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」という風に、なっちゃうんじゃないですかね。
とりあえず思うこと
はてなブックマーク、コロナ関連の情報には注意文を入れられるんだから、こういう自死の話題にも、なにか注意書き入れたり、できませんかね?