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あままこのブログ

役に立たないことだけを書く。

カメラ左翼とカメラ右翼

カメラ

線路の向こうの火山
承前:
amamako.hateblo.jp
amamako.hateblo.jp
amamako.hateblo.jp
というわけでカメラにはまっております。
で、インターネット上でも色々カメラについての文章とかを読んだりしているのですが、そうすると「写真とはいかなるものであるべきか」というのが、実は人によってだいぶ違うということが分かってきて、その違いを眺めているのもなかなか楽しいです。
例えば、以前「アメトーク」というテレビ番組でカメラについて特集が組まれていたそうで、その中で小籔千豊とかいう、最近だと「夫婦別姓は日本の伝統!」とか言って失笑を買っていた右翼芸人*1が、「空」「ねこ」「いぬ」「カプチーノ」ばっか撮るカメラ女子を批判し、賛否両論が巻き起こりました。
matome.naver.jp
d.hatena.ne.jp
minkara.carview.co.jp
dysdis.hatenablog.com
【速報】高柳明音さん激怒、アメトーク大批判。 - AKB48まとめ速報
カメラ速報まとめ ~かめそく~ : 【アメトーク】小藪先生のカメラ講座【殺伐】
この論争では、「どういったものをカメラで撮るべきか」ということが問題となったわけです。
この他にもたとえば、「超音速備忘録」というブログで以前
wivern.exblog.jp
という記事が書かれ、この中で書かれた

  • 「そういうの難しくてわかんない!私は私の好きな写真が撮れればそれでいいもんね!」みたいな文化は滅べばいい
  • 写真の加工は善である

という主張がなされ、それに対してはてブコメントで

  • そうは言ってもあんまり加工のやり過ぎはよくないんじゃないか
  • 好きな写真が撮れればそれで良いことの何が悪いんだろう

みたいな反論がなされる、といったことがありました。
このように、写真について語るということは時として論争を引き起こし、そしてその背景には、個々人が持っている、写真についての「思想」の違いがあるのです。
と聞くと、僕のような人文系オタはついつい、「思想の違いがあるのなら、その思想の違いをマッピングしてみたい」ということを思ってしまうわけです。

カメラをめぐる思想の四象

というわけで、カメラの思想、マッピングしてみました。
www.positioning-map.com
f:id:amamako:20170220163429p:plain
色々突っ込みたいところは山ほどあるかもしれませんが、とりあえずの叩き台ということで……
この図の内、一番右上を「カメラ右翼」と呼び、一番左下を「カメラ左翼」と呼ぶことにします。ええ、『フード左翼とフード右翼』

のパクリです。
では、それぞれの思想について解説していきます。

権威主義ロマン主義

この思想は、カメラ右翼思想の亜流であり、上記で紹介した【写真】カメラは「真実を写す機械」だと思っている人に言いたい5つのこと : 超音速備忘録という記事はまさにこの思想に位置します。この思想においては、写真は「他人に見せていかにカッコイイか」が重視されます。そのため、被写体選びもまず、その被写体が写真にしたとき権威的な他者の評価が得られるかが重視され、「私の好きな写真が撮れればそれでいい」的な考え方は否定されますし、写真の編集に関しては、「かっこよく見えるためにどんどんイジれ!」となり、彩度・コントラストもどんどん上げますし、HDRもどんどん使います。また、色温度は低い傾向があります。このような写真の代表としては下記のようなものが挙げられるでしょう。
irorio.jp
このような考え方は、しかしリアリズム主義者からは「彩度上げすぎて眩しすぎ」「写真版ラッセンかよ」「現実を加工するな」とツッコミを受けます
b.hatena.ne.jp
anond.hatelabo.jp
www.gizmodo.jp
www.afpbb.com
し、自由主義者からは「他人の評価を気にしすぎてキモい」と思われています。

権威主義・リアリズム

この思想は、カメラ右翼の本流といえます。彼らの写真の特徴は、一言で言えば「コンテスト狙いの写真」と言うことができます。撮影後の加工は出来る限り避け、撮影時の光量・構図で勝負するのが一番だと考えています。コントラスト・彩度は出来る限り抑え、なんならモノクロ写真が一番だと思っている節もあります。
また、この思想の人たちは「カメラ女子」と呼ばれる人たちを徹底的に嫌います。彼らに言わせれば、カメラ趣味とは「カメラ道」がごとき求道的なものであり、女子供や中途半端な覚悟の人間が手を出して許されるものではないのです。この記事の最初に挙げた小籔騒動は、まさしくカメラ女子に対する、カメラ右翼のバックラッシュだったと言うことができるでしょう。
そして、そのようなカメラに賭ける覚悟を証明するために、レンズ沼に堕ちがちです。

自由主義ロマン主義

こちらの思想は、カメラ左翼であり、カメラに対してより革新的な考え方を取ります。旧来のカメラに対する考え方に反旗を翻し、「別に権威に褒められなくったって、自分の好きな写真が撮れればそれでいいんじゃね」と考えます。その為加工にも躊躇がありませんが、その加工はあくまで自分と、その自分の周りの人を楽しませる目的で使われます。
このようなタイプは、最初、SNOWやinstagramを使うことでカメラの楽しさに目覚めます。そしてさらにその楽しみをもっと「盛る」ために、コンパクトデジカメやミラーレス一眼・一眼レフに移っていきますが、その過程で時としてカメラ右翼のバックラッシュに直面したりもします。
ただ、現代におけるカメラ好きの最大派閥は、カメラ左翼であるということにカメラ右翼は気づいていません(いや、もしかしたら「気づいてはいるけど認めたくない」だけなのかもしれませんが)。その証拠に、カメラについて取り上げるテレビ番組や一般雑誌を見てみなさい。殆どが岩合光昭とか中井精也といった「ゆるい写真」についての特集ですから。

自由主義・リアリズム

こちらの思想は、カメラ左翼の亜流ですが、世の中で言う「カメラ女子」のなかには意外とこちらの思想を持っている人が少なくありません。スマホで写真を撮る際は加工も楽ですが、ミラーレス一眼やら一眼レフで撮った写真は加工するだけで一苦労ですし、写真を撮っていく中で、いわゆる「ナチュラルな写真」の魅力に気づくパターンもあります。あるいは、カメラ右翼だった人が、権威狙いの写真に飽きてこちらに移行する場合もあったりします。
このタイプの思想の人が撮る写真は、彩度・コントラスト抑えめで色温度も低めです。
また、このタイプは時としてトイカメラとか二眼レフカメラとかといった変なカメラを使ったりもします。

みんなちがってみんな良い

さて、ここまで連々と語ってきましたが、僕の言いたいことは、実は単純に「みんなちがって、みんないい。」
www.youtube.com
だったりします。
ただ、「みんなちがって、みんないい」と言うためには、そもそもお互いの違いを理解しておかないといけないと思うわけです。そういう違いを理解していないと、小藪騒動みたいに、目指す場所が違うのに同じ場所を目指していると勘違いして、的はずれなアドバイスをすることになるわけです。
それを避けるためにも、自分がそもそもカメラについてどういう思想を持っているのか、把握するのは悪いことではないでしょう。この記事が、その助けになれば幸いです。