あままこのブログ

役に立たないことだけを書く。

お詫び

私あままこ(https://twitter.com/amamako/)がはてブ及びtwitterで行った台湾のライトノベルについての言及は、あまりに的外れで、台湾のライトノベルに対する誤解を招き、名誉を不当に傷つけるものでした。ここにお詫びし、下記URLの発言を削除いたします。 台湾ラノベ翻訳姫の方には、誤りを指摘していただき深く感謝いたします。

削除した文

http://b.hatena.ne.jp/entry/344361761/comment/amamako https://twitter.com/amamako/status/904470643655114752

台湾ではライトノベルの「本土化」が進んでおり、二・二八事件や兵役をテーマにしたライトノベルなども出版されているらしい。逆に異世界ものや俺TUEEEEは飽きられていると。なんつーか、日本よりむしろ進んでない?

https://twitter.com/amamako/status/904475670759092224

その点からすれば、台湾ラノベが、あくまで「ライトノベル」でありながら、しかし一般的にライトノベル的なテーマとされがちなものから広がっていき、社会派的なテーマでも語れるんだという可能性を示してきたことは、むしろ日本も学ぶべきなんじゃないだろうか。

中国・上海に行ってきました(2017/5/18~21)―3:田子坊~新天地~上海宣伝画芸術中心編

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amamako.hateblo.jp
中国・上海旅行記。今回は田子坊から、新天地にある中共一大会址(中国共産党第一次全国代表大会会址)を見て、その後いよいよ今回の旅のメインイベント、上海宣伝画芸術中心へと訪れます。なお今回は共産趣味分多めになっております。

田子坊へ

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朝起きて、猫におはようのあいさつをしながらまずは地下鉄に乗り、打浦橋駅へ向かいます。駅を出ると目の前にはもうこんな門が。これが田子坊の入り口です。
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いかにも「田子坊」って感じのキャラクターが出迎えてくれます。
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中に入っていき、まず向かうのはKommune(公社)、まずは現代上海において共産趣味がどんな感じで消費されているかをヲチしてみましょう。
www.shanghainavi.com
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店の中はこんな感じ。
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ガチの共産主義っぽいものを持ってきたっていうよりは、やっぱりある程度小奇麗にされた、それこそゴダールの『中国女』に描かれたようなオサレmeetsマオイズムって感じですな。でもまあ、こういうのもこういうので、嫌いではない。
とりあえずコーヒーを頂く。これまたオサレだなー。
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お店を出て、朝の田子坊を散策してみます。
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こういうごちゃごちゃして、それでいてセンスがいい町並みって好きです。日本で言う原宿とかみたいな感じなのかしら。原宿そんなに歩いたことないけど。
変なキャラクターもいっぱいいる。
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他にも変なものが色々売っている。
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この化粧品はわりと上海の色んな所で見た。
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いろいろ危うい。
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看板もセンスがいい。
そんなわけで、一通り田子坊を堪能したのち、今度は新天地にある、中国共産党の第一回大会が開かれた場所、中共一大会址へと向かうことにします。

新天地・中共一大会址

新天地に向かう途中、地下鉄の駅で撮ったポスター。
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台湾・高雄の地下鉄のポスター
amamako.hateblo.jp
ほどではないですけど、ピンク髪のキャラクターとか、顔文字っぽいキャラクターとか、妙にネットっぽいですな。
新天地駅に着くと早速出迎えてくれるこんな看板
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鎌と槌のマークがわくわくさせてくれます。
しかし駅を出てみるとこんな光景があたりには広まっていたり。
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新天地は現在おしゃれなショッピング街。なんか六本木ヒルズ周辺っぽい。
しかしそんな風景の中を歩いていくと、妙に垢抜けない観光客がいっぱい居るエリアへ。きましたきました。
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さっそく中に入ってみて、荷物検査を抜けると、壁には中国共産党第一次全国代表大会のメンバーの銅像
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そしてその横には中国共産党党旗。
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これこれ、こーいうのがが見たかったんだなぁ。
中に入ると、中国における共産主義革命の歴史が。
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れーにん!れーにん!( ゚∀゚)o彡
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このデザインが良いよなぁ。
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共産党宣言の翻訳。マルクスがカッコイイ。
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『覚悟』ですよ『覚悟』。こんな題名付けますかあなた。右翼団体みたいだ。
……と思って調べてみたら、この『覚悟』っていう雑誌は、下記のサイトによると、共産党の創設以前の学生の団体で、周恩来とかが参加していたそうで、さらにいうと中国語で「覚悟」というのっは、日本語で言うと「自覚・覚醒」の意味らしい。
yuzitj.exblog.jp
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陳独秀と李大釗。この二人が中国共産党を結成していくわけですな。
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中国のロシア人コミュニティの中にも、共産主義がじわりじわりと広まっていったり。
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COMMUNIST。
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共産党宣言の翻訳をしたタイプライター。ちなみに中国の共産党宣言の翻訳は幸徳秋水堺利彦が日本語に訳したものを底本にし、英訳も参照しながら書かれたものらしい*1
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中国共産党の初期メンバーたち。いかにもいいとこの坊っちゃん嬢ちゃんという感じ。
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メーデー、漢字にすればそりゃ「五月一日」になりますわな。
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中国共産党第一回大会の参加者。日本の大学に留学していた人も結構多い。
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毛沢東たん。絶対写真修正してる。
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毛沢東の描いた論文が載っている本。
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その他なんかカッコよかったメンバー。大半が多分ろくな死に方してないんだろーなー。
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共産党大会の様子。ここから↓までになるんだから、やっぱ中国共産党ってサクセスストーリー歩んでるよなぁ。
中国共産党第17回全国代表大会 -- pekinshuho
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毛たんの書。
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結成後現在まで、中国共産党のために尽力してきた人たち。
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はためく五星紅旗
というわけで、中国共産党党史を頭に叩き込んで、すっかり心は革命闘士、という感覚で外に出てみると、待ち受けるのはこんな光景なわけです。
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……ま、豊かになってよかったネ。
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ちなみに近くには大韓民国臨時政府の跡もあったりしました。残念ながらその日は休館日だったので入ることはできず。

毛太設計

というわけで、現代中国共産党の公式見解を見た後は、フランス租界を進みながら、共産趣味っぽいお店を目指します。
まずは常熟路駅の近くにあるという「毛太設計(Madame Mao's Dowry)」というお店へ向かってみます。調べてみると、文革グッズとかがたくさんあるらしくて、わくわく。
www.shanghainavi.com
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旧フランス租界のオサレな町並みを歩いていくと、あったあった。
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さっそく中に入ってみます。
しかし、なーんか思ってたのと違う。なんか骨董品ばっかで雑貨があまりない。お店の雰囲気もこじゃれていて、場違いな感覚がして早々に退散。ここは、共産趣味的視線からするとあんまりおもしろくないお店なのでした。

上海宣伝画芸術中心

しかーし、その次に行った場所、上海宣伝画芸術中心は、まさに共産趣味者大興奮な場所なのでした。
ただ、この場所、まず行くのが大変に難しい。とりあえずGoogleマップに「宣伝画芸術中心」と書かれた場所
Google マップ
に向かって
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オサレな街を進んでいたのですがこれが全然たどり着きません。
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かわいい猫の落書きはあるんだけどなー。
結論から言うと、Googleマップの場所は間違っています。本当の場所はこっち。
Google マップ
マップをみればわかりますが、団地の中にあったりします。総統公寓という看板がかかっている、華山路と武康路と鎮寧路の交差点にある、こんな感じの団地の入り口
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を入り、
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猫に挨拶しながら進んでいくと4号棟があるので
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その中に入り、地下一階に行くと、
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到着します。
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ちなみに僕は分からなかったので、団地の入口にある、守衛さんに場所を聞きました。するとこんな名刺大の地図をくれた(左のは入場券)
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ので、やっぱり迷う人は多いみたいですね。
さて、では中はどんな感じなのか、写真でご紹介!……と行きたかったんですが、中は残念ながら撮影禁止。まあ、色々政治的に微妙だったりもするのかもしれません。
というわけで、言葉で説明するとですね、とにかく日中戦争の頃から、改革開放の頃まで、中国で生み出されたプロパガンダポスターが、それぞれの時代ごとの壁一面に貼られています。横には英語で説明文もあって、それぞれの時代、どんな政治的状況から、どういうモチーフのポスターが多く描かれたか等が説明されていたりします。
もー共産趣味者なら興奮間違いなし。一部、複製ポスターをお土産で買ってきましたのでそれを紹介してみます。
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こんな感じのポスターが所狭しと並んでいるわけです。
図録も買ってきたりしました。
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中はこんな感じ。
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中華人民共和国成立のときの有名な絵ですが、時代ごとに、粛清されちゃった人が描かれなくなったりしたという説明があったり。
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激アツの反米ポスターが紹介されていたりします。これらも、上海宣伝画芸術中心にはきちんと原寸大の実物が展示されていたりするわけです。
これらの画像を見て、ピンときた人は是非!行くべきでしょう。
というところで今回はここまで。次回は圓苑や豫園、上海环球金融中心など、上海の定番観光地を回ります。
つづく。

「早熟だけど脇が甘い未成年」のWeb上での表現はどのような配慮が必要か、自分の考え

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togetter.com
というまとめを作成したらid:okome_chan*1から以下の批判を受けまして。

食人鬼マンガから考える「早熟だけど脇が甘い未成年」を大人たちはどう受け止めるべきか問題 - Togetterまとめ

どう受け止めるべきかもクソも、この子に何かしらの問題があるなら周りの大人が直接注意するだろうし、少なくともインターネットの大人がすべきことはこんな「相手のことを考えたフリの叩き記事」を作ることではない

2017/07/20 13:50
b.hatena.ne.jp
どう受け止めるべきかもクソも、この子に何かしらの問題があるなら周りの大人が直接注意するだろうし、少なくともインターネットの大人がすべきことはこんな「相手のことを考えたフリ

id:okome_chan叩き記事にならないように、敢えて直接引用はしてないんですが、それじゃ配慮が足りないでしたかね。じゃあどこまで配慮すればいいの?というのが、このまとめで問題としていることでもあるんですが。

2017/07/20 14:49
b.hatena.ne.jp
どう受け止めるべきかもクソも、この子に何かしらの問題があるなら周りの大人が直接注意するだろうし、少なくともインターネットの大人がすべきことはこんな「相手のことを考えたフリ

id:amamako 高確率で描いた人の目にとまる時点で画像を貼らない意味なんてないのでは?というかツイートであなたは「こんなんは中二病の萌えにすぎない」って話しかしてないわけですけどこれのどこが議論なんですか?

2017/07/20 15:10
b.hatena.ne.jp
id:okome_chan叩き記事にならないように、敢えて直接引用はしてないんですが、それじゃ配慮が足りないでしたかね。じゃあどこまで配慮すればいいの?というのが、このまとめで問題として

id:amamako 「叩き記事にならないように」という発言からすると、この記事が叩きにあたるという自覚はあるわけですよね。その上であなたは「この作品は中二病だ、中二病は恥ずかしい」という旨の発言しかしていない。

2017/07/20 15:16
b.hatena.ne.jp
id:amamako 「叩き記事にならないように」という発言からすると、この記事が叩きにあたるという自覚はあるわけですよね。その上であなたは「この作品は中二病だ、中二病は恥ずかしい」

id:amamako 「この漫画はこうだから中二病だ」という話はしていても、じゃあ中二病の何が問題なのかの根拠が示されていない。私が読み落としてるならここですと示して下さい。(あなたの発言で、です)

2017/07/20 15:25
b.hatena.ne.jp
id:amamako 「この漫画はこうだから中二病だ」という話はしていても、じゃあ中二病の何が問題なのかの根拠が示されていない。私が読み落としてるならここですと示して下さい。(あなたの

id:amamako  また、もしこのまとめが少女やそれに準ずる存在のためのものであるなら、このまとめによって少女やそれに準ずる存在に与えたい「良い影響」があるはずですがどんなものを想定していますか?

2017/07/20 15:36
b.hatena.ne.jp
なるほど確かにあのまとめからだけではこういう批判も受けるよなぁと思ったので、この記事では、じゃあ具体的にぼくが何を問題視してあのまとめを作ったのか、そして現時点でぼくが、「早熟だけど脇が甘い未成年」のWeb上での表現はどのような配慮が必要だと考えているか、スタンスを表明しておきたいと思います。

今回の記事の要約

  • 今回作ったまとめの目的は叩きではないが、結果として叩きを誘発させてしまったことは反省点として受け止めたい
  • 今回作ったまとめの目的は、「早熟だけど脇が甘い未成年」のWeb上での表現はどのような配慮が、より一般的な議論を促すこと
  • ポジティブな言及は面と向かって、ネガティブな言及は対象をぼかしてというのが、一番いいのではないか

なんであのまとめを作ったのか

叩きが目的ではない

まず最初に言っておきたいのは、別に今回話題となっているマンガの作者の表現を叩いたり批判するのを目的に、あのまとめを作ったわけではないということです。
というか、もしそうだったらマンガ自体やそのマンガの作者の発言とかも遠慮なく引用してきてますし、発言だって、あのマンガの内容を厳しく問題視しているtwitter上の論客や、マンガに付いたはてブコメントからコメントを引用してきますね。
ただその一方で、あのまとめが結果として、マンガの作者への叩きを助長する効果を生み出してしまっている、ということについては否定しません。そこは、もうちょっとうまいやり方があったのではないかという反省材料ではあります。
ただ、じゃあ具体的にどうすればいいのかというのは思いつかなかったり……例えばtogetter上には、僕のまとめとは違い、あのマンガをベタに絶賛している発言だけを抜き出したまとめがあったりしますが、それですらコメント欄で、マンガに対する批判意見が噴出してしまっているわけで。僕としては、そういう批判意見を見越した上で「いやそういう批判は重要じゃないんだよ。ただ描きたかったシチュエーションを描いちゃっただけなんだから、キャプションやメッセージを重視して批判するのではなく、生暖く見守ろうよ」という批判への反論を先回りして書いておいて


批判をあらかじめ押さえ込もうとしたわけですが、結果としてはそれでもうまく行かず、SNS上での論調のコントロールって難しいなと。

「早熟だけど脇が甘い未成年」を大人たちはどう受け止めるべきか、という問題をみんなで考えたかった

で、あの作品の叩きが目的でないとしたら、じゃあ一体何が目的だったかと言えば、それこそtogetterのタイトルで説明したとおり、「早熟だけど脇が甘い未成年」を大人たちはどう受け止めるべきか、という問題をみんなで考えたかった、ということです。
ですからぶっちゃけ議題にするのは今回言及しているマンガでなくても良かったんですが、しかし事実として、あのマンガを契機に議論が盛り上がった以上、まとめとしてはそれを含まざるをえなかったわけです(もしかしたら、多少まとめとして見にくくなったとしても、マンガに対する言及を含むべきではなかったのかもしれませんが)。
あのマンガに限らず、近年のWeb、特にtwitterなどのSNS上では、以下のような炎上が頻発しています。 *2

  1. ある表現者が、「世間に対して問題提起したい」とマンガをアップロードする
  2. 最初は絶賛され、バズっていくが、バズっていくにつれ批判も目立つようになる
  3. 表現者がその批判にメンタルをすり減らす

しかしこれらの表現が、きちんと自分の表現に対して責任を持てるし、また持たなきゃいけない、成人による表現である限りは、これら炎上はそんなに問題なわけではありません。むしろ、問題提起的な表現を投げかけたんだから、それに対して、批判も含め様々な反応が出るのはむしろ正常な状態と言っていいでしょう。
ただ、もしこういう表現が、未成年によって行われるとなると、話は別になるんじゃないでしょうか。
例えそれが叩きではない正当な批評・批判だとしても*3、「自分の作品が多くの人に否定されてしまった」というのはその未成年の表現者にとって大きなトラウマとなるでしょう。「批判」というものをことさら嫌がる現代の若者においては特にそうです。*4事実、今回話題になった漫画を書いた人もアカウントを閉鎖してしまいました。
もちろんこれに対して、「成年だろうが未成年だろうがネット上では平等に扱われるべき。叩かれてメンタル傷つけるのはその人の自己責任」というマッチョな立場もあるでしょう。かつて未成年のころから色々ネット上で主張していた僕もそのような立場でした。
ただ、色々経験してきて思うことは、いくら未成年が自己決定権とかを振りかざして、一人前の大人として扱ってくれと主張しても、大人には「子どもを保護する責任」があり、その未成年の将来にとって害になってしまうこと(例えばインターネット上で傷ついてメンタルが不安定になったり、ネットにのめりこんで、勉学や友達付き合いといった、リアルでの活動がおろそかになったり)は、例え当人がそれを望んでいたとしても避けさせなければならないのではないかということなのです。
さらに言えば、昔のはてなのように精々数百人ぐらいで議論していた時代ならいざしれず、今は一旦twitter上とかで炎上し始めれば、数万単位で批判意見とかが殺到するわけです。それを未成年に一手に引き受けさせるっていうのは、流石に酷に思えてならないのです。
では、どうすればそういう、(かつて自分がそうだったような)「早熟だけど脇が甘い未成年」が、インターネット上で傷を負わず、健やかに成長できる環境を、大人たちが作れるのか、それが、このまとめで議論したかったことなのです。そして、そういう議論を行って、未成年が健やかに成長できる環境を作ることは、回り回って、少女やそれに準ずる存在に与えたい「良い影響」になるのではないかと、考えているのです。

「早熟だけど脇が甘い未成年」のWeb上での表現はどのような配慮が必要か

何も言及しない

まず、最も簡単な配慮として考えられるのが、「何も言及しない」という選択肢です。未成年が何か表現をしても、それは未成年のすることなんだから、大人は相手にしないと、そういう選択肢です。
個人としてこういうスタンスを取ること自体は否定しないです。特に、未成年者自身が「私の作品はこういうスタンスで接してほしい」と言うのなら。が、これを他人に推奨したり、自分自身のスタンスとして取り入れる気にはなれません。問題提起として表現をなげ掛けてきたのに、それに対して何も反応しないということを、未成年者当人が望んでいるとは考えられませんし、大部分の人は、何か心を揺さぶられる表現を見たら、それに対して言及したがります。
第一、もし一切何も言及されたくないのなら、わざわざインターネット上で全体公開せずに、クローズドなSNSとか、それこそ自分のノートとかに書き留めておけばいいわけで、そこをわざわざインターネットで全体公開するなら、やはりそこではある程度、他者から言及されることを望んでいると考えられるでしょう。
(最近の若者はクローズドな環境とオープンな環境の区別がついていない、という話もありますが、もしそうならそれは、「クローズドな環境でしか、全世界に知られて困る話はしない」という、ITリテラシーの基礎を地道に教えていく、という結論にしかならない気がします。)

ポジティブな言及しかしない

次に考えられる配慮として考えられるのが、「ポジティブな言及しかしない」という選択肢です。未成年者の表現に対してはネガティブな言及はせず、とにかく褒めて褒めて褒めまくれというわけです。
これは、一見最適解に思えます。もしこれがインターネット全体で可能ならば、そうすべきでしょう。
しかしこれは実質的には不可能です。なぜなら、どんな表現であっても、それを良いと思う人も居れば、悪いと思う人も居るわけです。そこで、「良いと思う人」ばかりが発言し、その言及がネット上を席巻すれば、当然それに「悪いと思う人」は反発するからです。ポジティブな言及ばかりであることは、ネガティブな言及の呼び水となってしまうのです。
これは、今回話題となったマンガに対しての言及においても起こったことです。実際、ネット上での今回のマンガの流れを見てみると、最初はこのマンガを絶賛する、ポジティブな意見ばかりでした。しかしそうやってポジティブな言及ばかりがネット上で拡散されていくと、それに対して批判的な意見を持つ人が出てきます。実際、このマンガに対する批判を見ると、初期の批判はその殆どが、このマンガ自体を批判するものでなく、このマンガを賞賛する意見への批判として、なされています。
このような現象は、一つのtogetterまとめ内に限定しても観察できます。togetter上で今回のマンガについて調べると、僕が作ったまとめとはまた別に、マンガに対する賞賛意見ばかりを集めたtogetterが見つかるでしょう(そのまとめはこのマンガを直接引用して言及しているので、僕の記事からはリンクは貼りません)。しかしそのtogetterのコメント欄を見ると、「むちゃくちゃ絶賛されてるけど、自分はこのマンガそんなに良いとは思えない」という風に、見事にマンガに対する批判意見ばかりが書き込まれているのです。このことからも、ポジティブな言及ばかりを行うことは、むしろネガティブな言及を喚起してしまうのです。

ポジティブな言及は面と向かって、ネガティブな言及は対象をぼかして

じゃあどうすればいいか、ここで僕が提案するのは

ポジティブな言及は面と向かって、ネガティブな言及は対象をぼかして

という配慮の方法です。今回の言及の仕方でも、これが採用されているということは、今まで記事を読んでいただいた方なら、分かると思います。
具体的に言うなら、ポジティブな言及をする場合は直接リプライを飛ばして言及する。「これはネガティブな言及と受け取られそうだなー」と思った場合は、直接リプライしたり、個人名を挙げて言及するのではなく、対象をぼかしてそれとなく言及する、という方法です。
この方法の利点は、まず何と言っても、未成年者が能動的に自らに対する言及を探しにいかない限りは、ポジティブな言及ばかりを受け取れるという点にあります。リプライばかりを見てれば、批判や否定・叩きに怯えて心を病むこともないというのは、何より大きなことです。
そして、この方法ではネガティブな言及をすること自体は否定されませんから、ネガティブな言及をしたい人も満足させますし、ちょっと調べれば賛否両論が既に行われていることがわかりますから、先に述べたような「ポジティブな言及ばかりだから俺がネガティブな言及をしてやろう」というネガティブな言及への呼び水効果も抑えられます。
そして、この方法が何より良いのは、ネガティブな言及に接するか接しないかが、未成年者当人の判断に委ねられているということです。受動的に言及を受け止める限りは、ポジティブな言及しか目に入りませんが、ちょっと能動的にエゴサーチを行えば、ネガティブな言及も目に入る。しかしそれも、能動的なエゴサーチをやめてしまえば目には入らなくなり、再びポジティブな言及ばかりの世界に戻れる。
未成年者は、いつまでも未成年者であるわけではありません、いつかは大人となり、ポジティブな言及・ネガティブな言及両方に真っ向から晒される、そんなWeb空間に放り出されるのです。そこで過度なショックを受けないためにも、適度な範囲でのネガティブな言及というのは、元々そんなに悪いわけではないはずなのです。そこで「適度な範囲」に、ネガティブな言及を摂取するのを抑える知恵が、この方法にはあるのです。「ネガティブな言及も知りたいなー」と思うなら、より能動的にエゴサーチをする。しかし、そこでネガティブな言及を摂取しすぎて、心が病みそうになるなら、エゴサーチをやめる。そのようにして、ネガティブな言及を適度に摂取することが、この方法なら可能となるのです。
もちろん、この方法にも欠点はあります。ネガティブな言及を摂取する量は、あくまで未成年者の自己判断になってしまいますが、そもそもネガティブな言及の適切な摂取量というのを当人が把握できるかという問題があります。「ネガティブな言及を見るとイライラする。でもネガティブな言及を探すことをやめられない」というアディクションはよくあること*5ですし、その反対に、「ネガティブな言及は別に見なくていいの?じゃあ一切見ない」というふうにして、成長の機会を奪ってしまうこともあるかもしれません。
しかしそのような欠点を考えても、この配慮の方法が最もベターではないかと、僕は考えるのですが、皆様は、どうお考えになるでしょうか?

参考になりそうな文献

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12歳からのインターネット

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つながりすぎた世界

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フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)

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*1:またこれは懐かしいはてなIDですな

*2:例: white-cat-tennis.xyz togetter.com togetter.com nlab.itmedia.co.jp www.comico.jp twitter.com

*3:そもそも「叩き」と「正当な批判・批評」をどうやって区別するの?という根本的な疑問はありますが、それは置いておきます

*4:参照:togetter.com

*5:少なくとも自分はこのアディクションにかかりやすいです

独断と偏見の中二病・邪気眼年表

中二病邪気眼について考える材料として、ふと年表を作りたくなったので作ってみる。随時更新。

年表

~1950年代
  • 1886年4月24日 マスメディアで初めて「コックリさん」の流行が報じられる。
  • 1909年8月14日 御船千鶴子1886年生まれ)が「千里眼」能力の持ち主として新聞に取り上げられる
  • 1933年1月9日 三原山火口で女学生2人が投身自殺。それ以降投身自殺がブームに
  • 1945年8月15日 終戦
  • 1946年4月1日 坂口安吾(1906年生まれ)が随筆『堕落論』を発表

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

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人間失格 (集英社文庫)

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1960年代
  • 1960年6月15日 安保反対デモに参加していた樺美智子(1937年生まれ)が死亡。

復刻 人しれず微笑まん―樺美智子遺稿集

復刻 人しれず微笑まん―樺美智子遺稿集

幻魔大戦 [Blu-ray]

幻魔大戦 [Blu-ray]

  • 1969年1月18日~1月19日 東大で山本義隆(1941年生まれ)ら東大全共闘安田講堂を占拠
  • 1969年4月7日 東京都で起きた連続射殺事件の容疑者永山則夫(1949年生まれ)が逮捕される。

69 sixty nine (文春文庫)

69 sixty nine (文春文庫)

1970年代

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

  • 1974年 ユリ・ゲラー(1946年生まれ)の来日により、超能力ブームが起こり、秋山眞人(1960年)、清田益章(1962年生まれ)らが「超能力少年」として注目される
  • 1974年 中岡俊哉(1926年生まれ)が『狐狗狸さんの秘密 君にも心霊能力を開発できる』を出版。コックリさんブームが来る。

  • 1979年 雑誌『ムー』が武田崇元(1950年)らによって創刊される

ムー 2017年8月号 [雑誌]

ムー 2017年8月号 [雑誌]

1980年代
  • 1980年11月29日 当時20歳の予備校生(1960年生まれ)が父親を金属バットで殺害する神奈川金属バット両親殺害事件が発生。受験戦争や親子間コミュニケーションの問題などが指摘される。
  • 1981年1月1日 ビートたけしによるラジオ番組「ビートたけしオールナイトニッポン」が放送開始。若者たちに大人気を博し、後の芸人たちのあこがれのラジオ番組となる。
  • 1982年 大友克洋(1954年生まれ)によるマンガ『AKIRA』が連載開始

構造と力―記号論を超えて

構造と力―記号論を超えて

チベットのモーツァルト (講談社学術文庫)

チベットのモーツァルト (講談社学術文庫)

  • 1983年6月 中森明夫(1959年生まれ)が『漫画ブリッコ』誌上にて「おたくの研究」を発表。大塚英志(1958年生まれ)と論争になる。
  • 1983年12月1日 シンガーソングライター尾崎豊(1965年生まれ)が「15の夜」でデビュー。夜の校舎窓ガラス壊してまわり盗んだバイクで走り出す。

15の夜

15の夜

  • 1986年2月1日 東京都中野区で当時13歳の少年(1973年生まれ)がいじめを苦に自殺。「葬式ごっこ」といったいじめが担任によっても行われていたことに批判が巻き起こる。
  • 1986年4月8日 当時の人気アイドル岡田有希子(1967年生まれ)が投身自殺
  • 1986年4月26日 チェルノブイリ原発事故。広瀬隆(1943年生まれ)の『危険な話』をバイブルに、反原発運動が盛り上がる。

新版 危険な話―チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫)

新版 危険な話―チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫)

  • 1986年12月20日 日渡早紀(1961年生まれ)がマンガ『ぼくの地球を守って』を連載開始。前世少女らの人気を集めるが、1989年12月発行の8巻*2で「この作品はフィクションです!」という声明を出した。

ノーライフキング (河出文庫)

ノーライフキング (河出文庫)

少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」 (光文社文庫)

少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」 (光文社文庫)

  • 1989年1月7日 昭和天皇(1901年生まれ)が崩御(死亡)
  • 1989年7月23日 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の容疑者として宮崎勤(1962年生まれ)が逮捕。おたくバッシングが始まる。

Mの世代―ぼくらとミヤザキ君

Mの世代―ぼくらとミヤザキ君

1990年代

80年代の正体 (別冊 宝島)

80年代の正体 (別冊 宝島)

  • 1990年7月6日 神戸高塚高校で女子生徒(当時15歳、1975年生まれ)が校門にはさまれ、死亡。管理教育の象徴として批判を浴び、保坂展人(1955年生まれ)、外山恒一(1970年生まれ)らによって反管理教育運動が始まる。
  • 1991年 中島梓栗本薫、1953年生まれ)が『コミュニケーション不全症候群』を出版

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)

美少女戦士セーラームーン 全12巻完結セット (新装版) (KCデラックス)

美少女戦士セーラームーン 全12巻完結セット (新装版) (KCデラックス)

A [DVD]

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トンデモ本の世界

トンデモ本の世界

  • 1995年7月 宮台真司(1959年生まれ)による評論『終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル』が発表。事件の原因に若者たちの「さまよえる良心」があると主張し、それを克服する処方箋として、女子高生たちに習う「まったり革命」を提唱する。

新ゴーマニズム宣言スペシャル脱正義論

新ゴーマニズム宣言スペシャル脱正義論

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

バトル・ロワイアル 上  幻冬舎文庫 た 18-1

バトル・ロワイアル 上 幻冬舎文庫 た 18-1

2000年代

非戦

非戦

  • 2001年10月6日 岩井俊二(1963年生まれ)監督作品『リリィ・シュシュのすべて』が公開。いじめ問題やインターネットでのコミュニケーションを鋭く描く

リリイ・シュシュのすべて 特別版 [DVD]

リリイ・シュシュのすべて 特別版 [DVD]

  • 2002年6月 木尾士目(1974年生まれ)によるマンガ『げんしけん』が連載開始。第三世代オタクのオタクライフをリアルに描いた作品として人気となる。

ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS)

ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS)

  • 2004年6月1日 当時11才の少女(1993年生まれ)が同級生を学校で殺害した佐世保小6女児同級生殺害事件が発生。容疑者が『バトル・ロワイアル』の二次創作小説を発表していたことや、「ぱどタウン」というSNSで被害者とトラブルになっていたことが注目を集める。
  • 2005年7月26日 山野車輪(1971年生まれ)により『マンガ嫌韓流』が出版。ネット右翼たちのバイブルとなる

マンガ嫌韓流

マンガ嫌韓流

  • 2007年1月26日 「元祖アキバ系女王」の異名を持つ桃井はるこ(1977年生まれ)が『アキハバLOVE』を出版

アキハバLOVE

アキハバLOVE

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

  • 2009年10月15日 志倉千代丸(1970年生まれ)らによって制作されたTVゲーム「STEINS;GATE」が発売開始。中二病の主人公といったキャラクターや、感動的なシナリオが人気を博し、TVアニメ化もされる。

STEINS;GATE

STEINS;GATE

2010年代

友だちを殺してまで。

友だちを殺してまで。

中二病でも恋がしたい! (KAエスマ文庫)

中二病でも恋がしたい! (KAエスマ文庫)

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 006 神崎蘭子

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 006 神崎蘭子

  • 2012年2月20日 ヒップホップMCのZeebra(1971年生まれ)と伊集院光との間で中二病についての論争が勃発。*4
  • 2013年1月16日 でんぱ組.incのシングル『W.W.D/冬へと走りだすお!』が発売。メンバーたちのいじめや引きこもり実体験をモチーフにした赤裸々な歌詞が注目を集める。また、歌詞内に「中二病」という言葉が含まれる。

W.W.D/冬へと走りだすお!

W.W.D/冬へと走りだすお!

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 043二宮飛鳥

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参考になりそうな文献・リンク

togetter.com
anond.hatelabo.jp
d.hatena.ne.jp
chikumaonline : 中二病の誤読誌-republic1963

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「若者の現在」政治

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*1:

*2:当初1994年発行の最終巻と記述していましたが、

という指摘を受け訂正。ご指摘ありがとうございます。

*3:押しかけ厨対策 - PukiWiki

*4:togetter.com

*5:togetter.com