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「論壇プロレス」よもう一度!―『現代ニッポン論壇事情』を読んで

北田暁大栗原裕一郎後藤和智の鼎談をまとめた新書『現代ニッポン論壇事情』を読みました。
いやー、かつて論壇誌とかが盛んに出版されていて、いわゆる「論壇プロレス」というのが活発だった頃に、大塚英志*1とか宮台真司宮崎哲弥*2とかがやっていたシュートな批判を思い出して、かつて論壇プロレスが大好きだった人間としては、「『論壇プロレス』が蘇ってきた!」と、興奮を感じました。
正直、立場としてはこの鼎談の主張は、文化左翼かつ反安倍・野党共闘派で資本主義大嫌い、ついでに言えば後藤氏もいまいち好きになれない(まあ、それは向こうも同じみたいで、後藤氏には以前↓のように
批判されているわけですが)な僕の立場とは全然相い容れないにも関わらず、「いいぞ、もっとやってやれ!」と叫びたくなる、そんな書です。
いやほんと、この本のガチさに比べれば、この本で批判されている現代ニッポン論壇の論客たちが、いかに小粒な試合しかやってないかっていうことですよ。

批判されている論客

とりあえずまずは、この本のガチさを分かってもらうために、この本での、論客たちや論壇上のもの・ことへの批判を、とにかく羅列してみましょうか。

北田 ……思想経歴の落とし前もなく、「正義の人」になってしまっているのが、どうにも理解できない。「正義の人」に転向するのはいいんですが、俗流初期中年論を掲げて、政策的にも放置されている出生コーホートを「最弱」なだといいのける。びっくりしましたね。

北田 ……本当に社会に対して無責任だと思う。

北田 結局、内田樹は精神論なんだよね。

後藤 ……『動物化するポストモダン』に対して「ポストモダン社会を生きる若者像を描いている」という評価もありますが、どうしてあんないい加減な本がそう受け止められるのかという疑問があったんですよね。
栗原 ……東は若手をはべらせては使い捨てるようなことをずっと繰り返しています……

後藤 ……東さんは「自分だけが本質を見ている系」……

栗原 ……東浩紀の批判者みたいに売り出しましたけど、要は東浩紀の掌の上で東を批判するようなことばかり書いていた……

北田 ……宮台さんの言う「社会システム理論によれば」というのは、「私の考えによれば」以外の何ものでもなくて、システム理論をまじめにやっていれば到底あんなこと言えないですよ。ルーマン何も関係ないですもん。……

北田 宮台さんは彼が部分的にしか見ていない「沖縄」が理想社会なんですよ。……沖縄が日本社会の行き着く先だなんて、呆れてしまう……

後藤 宮台さんは、最近の本を読むとほとんど過去の理論の焼き直ししかやってないです。
北田 ごめんなさい、私、読んでいません。
栗原 俺も読んでないです。

後藤 宮台さんこそ「自分だけが本質を見ている系」のスターですよ。

  • ニッポンのジレンマ

北田 ……学究肌の人が出る番組じゃない。とにかく中高年の人たちにとって非常に無害な人たちが立ち並んでいて、衝撃を受けたんです。

北田 ……NHKの「ジレンマ」とか本当にいい加減にしてほしい。ああいうのは公共放送で流す価値はない。……

栗原 ……『ユリイカ』にしても、今やただのオタク雑誌としか思われてないですよね?
北田 立派なサブカル誌ですよね。

栗原 ……『ユリイカ』にヤバい原稿を書いたとしても、燃える気がしない。……

北田 ……昔だったら『現代思想』『ユリイカ』『思想』に書くことはステイタスだったけれど、今の大学院生にそんな感覚はない。「それよりちゃんと査読つけたほうがよい」という感覚がある。それは全く正常なことですけど……

北田 ……同じ大学の教員と学生だから古市さんには触れないようにしてましたけど、さすがに「劣化」発言の頃からどうでもいいかと思うようになってきました。……僕は彼の本を読んでいないから何で怒っているのかわからなかったけど、テレビを観るとその理由がわかった。「ああ、これにムカつくのか」と。
栗原 あの舐め切った態度ね(笑)。……

北田 ……僕の同世代の職業社会学者で古市さんを評価している人ってゼロなんですけど。

栗原 ……濱野智史の『前田敦子はキリストを超えた』は、良くも悪くも……良くはないか(笑)、象徴的でした。濱野氏はアイドルオタクをこじらせてPIPというグループの運営に手を出したんですが、行き詰まったのか「アイドルはクソ」と言い残して途中で放り出してしまった。その後、最低限の説明責任も果たさないまま雲隠れしてしまい……ほとんど社会人失格……

後藤 ……熊代亨さんが『ロスジェネ心理学』という本を出していますが……ロスジェネより下の世代としては全く共感できなかった。……

  • SEALDs、AEQUTAS

栗原 単純に言っちゃうと、経済オンチはSEALDsが好きなんですよ。AEQUTAS(エキタス)とかも好き。
後藤 確かにそんな感じはします。

北田 ……もう現存する既成野党には絶対何も期待しない……

北田 ……共産党大会に社民党民進党の代表が行ったんですよね。あんなこと、以前だったら考えられない。……正直な話、いまだに共闘で勝とうとか言っている時点で、もう終わっているとしかいいようがない。

北田 ……やっぱり共闘って困ったものです。なんの解決にもならないですしね。

栗原 あの人、言っていること支離滅裂じゃないですか。

北田 上野千鶴子さんとか小熊英二さんとか、本当に心配になるんです。あの人達の考えが一番わからない。……あの人たちには「経済はほっといてもこの程度は維持できる」という日本経済信仰があるんじゃないか。……

栗原 ……大澤と浜崎が箱根の老舗温泉で対談しているんだけど、驚いたことに浴衣姿で写っているという。いいご身分というか何というか。……
北田 ロスジェネ論壇の一つの上がり方ですね。
後藤 そうですね、それがロスジェネ論壇の一つの上がり方になっている。
栗原 大澤、太ったよー(笑)。

北田 赤木さんって、テキサス親父っぽいですよね。

栗原 國分功一郎の『暇と退屈の倫理学』を読んだら、まず人というのは暇と退屈を持て余すものだっていうのが前提になっていてすごい違和感を覚えて、現在ってどちらかというと「退屈を持て余してる暇なんかねーよ」っていう……

北田 國分さんの本は、デリダじゃないけど、「時間が無限だ」という前提がないと成り立たないと思うけどね。

栗原 ……「素人の乱」の松本哉にしても偉くなっちゃったしねぇ。
北田 そうそう、全然貧困とは思えない(笑)。ご本人が裕福になることは構わないのだけども、それが生活保守とか彼らが言う新自由主義に当てはまっちゃってるということは、少し考えてほしいなとは思いますよね。

北田 ……白井さんすごくよい服を着ていて、生まれ育ちもよいのがわかる。一番金がない僕が一番“右側”ってどういうことですか、という話ですよ(笑)。

栗原 ……柄谷の『世界史の構造』の収奪論・搾取論にしてもやっぱり比較優位説を理解していない。もしくは理解を拒絶しているから出てくる話……

いやあ、バッサバッサと斬っていきます(笑)。斬られた人たちは、ここで斬られたことを自覚して斬り返さなきゃ、一生死んだままなわけで、ぜひとも反論に期待したいところです。その度胸がないなら、論壇からは退場すべきでしょう。
ちなみに現段階でこの本に言及している論客については、togetterにまとめているわけですが、この本で言及されている論客でこの本に反論しているのは佐々木敦と千葉雅也ぐらいです。
togetter.com

本の内容と、自分の感想

さて、ここからは実際に本にどんなことが書いてあるかと、それに対しての自分の意見を書いていきます。
本の内容は箇条書きで要約すれば以下のとおりです。

  • 90年代から現在の若者バッシング・若者擁護論は、俗流若者論であり、証拠はなにもなかった。それが受け入れられたのは、上の世代の不安や希望をちょうど表すものだったから。
  • ピントのずれた若者バッシング・若者擁護に嫌気が指した当時の若者が、その仕返しとして反左翼の冷笑系になっている
  • 日本の文化左翼は経済政策に関する展望がないが、今社会問題に口を出すなら経済に関する意見は欠かせないはず
    • 搾取とか労働問題ばっかり語ることは経済について語ることにならない。成長戦略について語らないと駄目
  • 脱成長論は結局金持ち左翼の道楽。真に庶民・貧困のことを考えるなら左派リベラルはアベノミクスを支持し、経済成長推進派に舵を切らないといけない
  • 経済の問題についてきちんと考え、エビデンスに基づいた議論と、それに基づく政策提言をやることが今論壇のやるべきこと
  • 社会学に社会全体を説明できる大理論はない。それを語るのは「自分だけが本質を見ている系」

これに対する自分の意見は以下のとおりです。

  • 俗流若者論が若者に対する期待・不安の結果だとしたら、それ自体を批判することにあまり意味はなく、肝心なのはそのような俗流若者論というものが生まれた原因を探ることにあるのでは?
  • 社会問題に対して口をだすときに経済政策への意見は、なくてもいい場合もあるのでは。例えば、政策を変えるのではなく、政策の中で生き残る方法を考えるときなどには
    • そして文化左翼の基本戦略は、むしろ「政策より対策」なのでは
  • 経済成長推進はいいけど、それが持つミクロな意味を語らなければ、経済成長推進に説得力はない
    • そしてミクロな意味には、ポジティブなものもあればネガティブなものもあるはず
  • エビデンスに基づく議論よりむしろ、エビデンスを多少無視しても自由な発想をし、そしてどのような社会であるべきか規範を語るのが、論壇の役割では
  • 真に人々に訴えかける政策提言をやるには、むしろ「自分だけが本質を見ている系」になっても、社会全体を語り、その中で規範的価値に基づいて目指すべき社会像を指し示すことが必要なはず

それぞれについて、説明していきます。

俗流若者論は、社会病理の「症状」であって「病因」ではない

この鼎談で後藤氏はいつもと同じように俗流若者論を「エビデンスがない」と非難するわけです。ただ、そこで終わるならこれまでの後藤氏の議論と同じで、正直飽き飽きなわけですが、この鼎談ではそこから一歩進み、その俗流若者論の背景には、年長世代の社会に抱える不安や希望が「若者」に反映されているのではないかといった、原因に関する考察や、この俗流若者論における「若者」が、「外国人」や「マイノリティ」に変化したものが、ヘイトスピーチであったり、ポストトゥルースといったものではないかという分析を行ったり、更に俗流若者論に対する反発が、ロスジェネやポストロスジェネに蔓延する反左翼・冷笑系の原因になっているのではないかと、考察したりします。
まあ、これに対して栗原氏は

栗原 ……ただし調査して統計を取ってみないと正確にはわからないところなので、断定するのはリスキーだと思います。……

なんて釘を刺したりするわけですが、ぼくはむしろ、そういうツッコミを受ける可能性があることを知りながら、敢えて自分の考察を明らかにした後藤氏の勇気を褒めたいと思ったりします。今までの後藤氏ならそういう風に、統計的裏付けのないことを語ることは絶対なかったわけですから。
ただ、そこまで進みながらも、相変わらず後藤氏は俗流若者論自体への批判こそが自分の使命であるというわけです。ここで僕は「ガクッ」ときちゃうんですね。いやだって、俗流若者論には、それを求める人々の心性があると分かってるわけでしょ。だったら何で、その心性の元となるものであるものを明らかにし、そこをなんとかしようと考えるのではなく、心性の結果でしかない「俗流若者論」を批判して、批判すれば問題が解決するなんて思っちゃうのか。根拠なき若者蔑視、あるいはその反対の根拠なき若者賞賛が一種の社会病理であるとするなら、「俗流若者論」はその病因である症状にすぎないということは、当人にさえ分かってきたはずなのに、なんでそこまで行ってまだ対症療法にこだわり、病因そのものを解明して治療しようという発想にならないのか、僕には理解できないんです。
もちろん、そのような解明・治療を行うためには、一旦エビデンスの世界を離れ、理論と仮説の世界に飛び込まなければなりません。しかし一旦離れたとしても、結局はそこで考えた仮説を立証するため、エビデンスの世界に戻ってくるわけなんですから、別に自分が今まで言ったことの裏切りにはならないと思うんですがねぇ。

「政策より対策」を考えるのも文化左翼の一つのあり方

この鼎談では、主に第2章で、毛利嘉孝吉見俊哉上野俊哉といったカルチュラル・スタディーズの学者や、松本哉鶴見済といった活動家を「文化左翼」とし、この人達が大勢への抵抗とか大学改革反対を叫びながら、経済への展望が全くないことを、「社会問題に首突っ込むなら経済的展望を持たなければならない」と批判します。
しかしこの批判は、僕にはどうにもピントがずれているように感じるんですね。というのも、文化左翼の基本的なスタンスって、そもそも「議会政治には期待しないで、自分たちで自分たちの理想を達成できるコミュニティ(コミューン)をDIYする」というものじゃないですか。政治とか経済とかっていうのは、悪くなるのが所与の前提であって、自分たちが
どうにかできるものではない。自分たちにできるのは、そういう体制の政治・経済からいかに逃避しつつ、自分たちの理想を、コミューンの共助などを駆使して、どうすれば実現できるかを考えることに尽きる。少なくとも僕にとって「文化左翼」の生存戦略って、そういうものです。
そもそも「文化左翼」の発想では、議会政治ってのは多数派の独裁にすぎないわけで、それは必ずマイノリティに不都合になるものに過ぎないわけです。だって政治っていうのは利益分配なわけですから。北田氏らは「いやそうじゃない、経済成長すれば全員に利益を分配させられる」というかもしれませんが、例え成長によって利益が増えたとしても、多数派が多数派の利益のみを考えるなら、多数派のみに増えた利益を分配させるに決まっているわけで、マイノリティに利益がいくわけがない。そこでマイノリティができるのは、議会政治の埒外で、多数派の利益を掠め取り、少数派内のコミュニティでそれを分配し、共助を行う、それしかないのです。
いうなれば、「政策より対策」を考えるのが文化左翼なのです。だとしたら、政策なんてものを考えるために、経済の展望を持つなんてことに無駄なリソースを費やすなら、現存の経済状況を所与のものとした上で、マイノリティ内や、対多数派の政治を考えるのは、決して間違ってないでしょう。あくまで、この世界が多数派とマイノリティの闘争であるという世界観を前提のものとした上でですが。
もしこれを否定するなら、世界を闘争の空間であるとみなす世界観そのものを否定しなければならないわけですが、そのような論はなく、ただ北田氏らは「経済展望がない文化左翼は駄目だ」と主張するわけです。これは、議論が噛み合ってないと言わざるを得ません。

経済成長のミクロな意味

この鼎談では、一貫して「経済成長の重要性」というのが強調され、現代の貧困は、経済成長が実現されれば簡単に解決され、経済成長により人々全体に利益が分配される。逆に、経済成長が実現されなければ、貧困はひどくなる一方であり、人々は利益の奪い合いを始め、社会は悪くなる一方だろう。といったことが主張されます。そしてその考えに基づけば、脱成長論は人々を苦しめる悪魔の思想、ということになります。
もちろん僕も、脱成長論の脳天気さにはうんざりします。特にブータンとかを理想社会とか言ってる奴らは大嫌いです(あんな「市民、あなたは幸せですか」なんてパラノイア的問いかけをして、それに「はい幸福です」なんて答えさせる国がまともなわけがない)。ですがその一方で、リフレ派が主張する「経済成長すれば全てがバラ色」などという未来像にも、疑問を抱かざるをえないのです。
なぜならそこでは、「経済成長を求められる状態」というものが、ミクロな人々にどんな意味を持ち、どんな心性を植え付けるものなのかが、明らかにされないからです。
それこそ、釈迦に説法になってしまって恥ずかしいのですが、社会学の古典である、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で描かれるように

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

経済体制というものは、それを支える人々の心性抜きには成立しないし、また、経済体制が、人々の心性に重大な影響を与えもするわけです。
とするなら、「経済成長を目指す経済体制」、「経済成長を目指さない経済体制」、それぞれにも、それに適合し、人々に植え付けられる心性というものがあるはず。
事実、「デフレが人々の心性に影響を与えた」ということは、リフレ派でも「デフレカルチャー」という論で主張されることなわけです*3
ところがではその反対である「インフレカルチャー」がどういったものかは、リフレ派はほとんど語られないし、この鼎談でも語られません。ですがデフレカルチャーがあるなら当然インフレカルチャーだってあるはずですし、そしてさらに言うなら、文化相対主義の立場に経てば、デフレカルチャーにも利点はあり、インフレカルチャーにも欠点はあるはずなのに、それが語られることはないのです。
経済成長というものが人々に持つミクロな意味を指し示しているものとして、唯一といって良い記事は、以前の僕の記事
amamako.hateblo.jp
で示した、山形浩生の「ピーマンのヘタ」があります。
cruel.hatenablog.com

 人はGDPとか経済成長とかいうことばだけ覚えて、なんかわかったつもりでいるけれど、それを実感として理解している人はおどろくほど少ない。でも、それは抽象的な数字なんかじゃない。明日はもう少し能率よく仕事を片付けて、あまった時間で新しい何かをやろうと思う。いまは捨てているこのピーマンのへたを、新しい料理に使ってみようと思う。そうした各種の無数の努力が積み重なっていく様子を想像してみなきゃいけない。

つまり、ピーマンのヘタを見た時、それについて活用法を考えることを強いられるのが経済成長の心性であり、むしろ何も考えないことを強いられるのが、脱成長の心性であるわけと、この説明からは捉えることができます。
あるいは自分の経験から考えましょうか。一般に、経済成長肯定派は、経済成長することによって失業率が下がり、結果的に豊かな社会になると言います。ですが、失業率の減少は、言い換えれば「働くことがより当たり前なものとして、人々に強いられるものになる」ということでもあります。例えば、失業率が高いなら、「失業率が高いんだから別に働いてなくてもいいよ」となっていたのが、失業率が下がることにより「失業率が下がったんだから、あなたも働きなさいよ」というふうに、就労規範がより強くなるということも考えられます。というか実際、現在絶賛ニート中の僕には、そういう圧力がかかっていたりします。
このように双方がどのようなミクロな意味を持ち、どのような心性に人々を誘導していくか明らかになってこそ、「経済成長、是か非か」という議論はできるのではないでしょうか。

経済成長が人々を幸せにする?でもじゃあ高度経済成長期の日本や、現在の中国の人々はみんな幸せなの?

さらに、僕が経済成長万能論に不審を抱く理由として、過去や現在において、経済成長を達成していた時代・場所が本当に幸せだったのか?という疑問があるわけです。それこそ、この鼎談でも重要なこととされている、比較分析です。
例えばリフレ派の経済学者の本を読むと、高度経済成長期の日本は経済成長をしていたから万人に利益が分配されていたと主張されます。ですが、それこそ過去の日本は、現代と比べて人権意識もジェンダー意識も劣っていて、マイノリティの権利も今よりずっと抑圧されていたわけです。そんな時代がなんで現代より幸せと言えるのか。経済成長は人々の幸せと負の相関があるとまでは言いませんが、すくなくとも正の相関はなさそうです。
時代が違うという声もあるでしょう。だったら現代で比較してみたらどうか?今一番経済成長しているところといえば中国でしょう。じゃあ中国の人々は幸せでしょうか?拡大する格差、強権体制、環境破壊、これらは経済成長が進んでも解決するどころかむしろ深刻化しているじゃありませんか。
だからと言って、僕は脱成長論が正しいというわけではありません。ただ言いたいのは、経済成長は人々の幸せに対して、必要条件ではあるかもしれないけど十分条件ではないということなのです。経済以外にも、しなきゃならないことは多分いっぱいあるはずなわけで、だとしたら「経済は経済学に任せる、社会学や論壇は別の領域で人々が幸せになるための条件を探る」というふうに、専門分化しても別にいい。むしろ、みんながみんな経済のことばっかり考えて他の問題がおろそかになるより、よっぽど良いのではないかと、そう考えるのです。
さらに言えば、「そもそも人々にとって何が幸せか?」ということは、どこで議論されればいいのでしょうか?

論壇のやるべきこととは

北田氏らの鼎談では、「論壇はエビデンスに基づいて、経済について議論をし、経済についてに展望を指し示さなければならない」と主張されます。いうなれば、彼らにとっては、経済学の学会でされるような議論が論壇のモデルケースなのでしょう。ですが、僕はこれに対して2つの点から反対です。

1,仮説提示

1つには、むしろエビデンスに基づかなくても言えるような自由な議論がなされるからこそ、論壇の議論は価値があるのではないかという点です。
人文科学・社会科学・自然科学にかかわらず、科学の研究というのは、多くが次のような手順を踏んで行われると僕は理解しています。

  • 仮説の提示
  • 仮説の検証
  • 仮説の肯定・否定

ここで重要なのが、仮説は検証されるまでは、エビデンスに基づかない、あくまで「思いつき」レベルであるということです。仮説が正しいか間違っているか証明するが研究なのですから、研究の始まりにおいては、仮説は未証明なのです。
そして、このような未証明な仮説は、それこそ突拍子もない議論、ブレイン・ストーミングの中からしか生まれません。もしブレイン・ストーミング中にいちいち「その発言、エビデンスあるの?」と問うような人間が居るなら、ブレイン・ストーミングの議長はむしろそのような突っ込みをする人間を追い出すべきです。
そして、僕にとって論壇とは、まず第一にそのような仮説を提示する、ブレイン・ストーミングの場じゃないかと、そう思うのです。
社会学と論壇の結びつきが強かった理由について、この本の鼎談では人脈からの説明が図られるわけですが、むしろ僕は、社会学が「学問」としてきちんとしたもの、エビデンスに基づいたものになるために、自分たちで仮説を提示することができず、その仮説の供給先として、論壇というものを必要としたという、理由の方が大きいのではないかと考えます。実際、論壇誌に載った文章を論文の一番最初に引用し、「~~という議論があるが、それが本当であるかこの論文では調査する。」という社会学の論文は、それこそ腐るほどありました。*4
この鼎談では、今の職業社会学者は論壇誌なんか全然読まないという指摘が、論壇の権威の失墜を示すものとして語られますが、僕からすると、それは結局、社会学が既存の研究の追試ばっかりしているということで、むしろ社会学の面白さの失墜に思えてなりません。

2.「なにが社会のあるべき姿か」を提示する

論壇の2つめの役割、それは、そもそも「なにが社会のあるべき姿か」、どういう社会が「人々にとって幸せな社会」なのかということを論じるということです。
これは、『責任と自由―リベラリズムの居場所』

責任と正義―リベラリズムの居場所

責任と正義―リベラリズムの居場所

なんて本を出した北田氏からすれば、あまりに初心者的発想で失笑されるような理解かもしれませんが、少なくとも僕は、社会科学というのは「価値自由」の学問であり、ある特定の価値観を推奨・強制するような議論は科学ではないと、認識しています。
しかし実際は、そもそも「どのような社会が理想か」ということについて議論がなければ、例え社会科学によって「このような政策をとればこのような社会になる」ということが選択肢として提示されても、その選択肢のどれを選ぶべきか判断できないでしょう。
いや、実際はそのような議論がなくても、個々の「判断」はなされるでしょう。極めて素朴な功利主義的判断や、あるいは「自然な」ナショナリズムエスノセントリズムにもとづいて。そしてマルクス主義はそのような議論が絶対成立しないという立場で、階級によって自らの利益を最大化する社会像は異なる、だから社会は必ず分断し、階級闘争が始まると主張するわけです。
ですが、この鼎談ではそのようなマルクス主義は否定され、社会の統合が重視されています。ならば一層のこと、それぞれの階級内利益や、裸の個人による弱肉強食の生存競争とは違う、統合された社会像が求められるはずです。
では、そのような統合された社会像はいかなるものであるべきかは、どこで議論されるのでしょう?僕には、これこそが論壇の役割であるように思えてなりません。
そしてそうである以上、「経済成長によって成り立つ社会」、「経済成長抜きで成り立つ社会」、この2つのどちらが良い社会なのか議論するのも、論壇の役割なはずであり、最初から「経済成長によって成り立つ社会」であるべきだという結論を先取りすることはできないはずです。何より、先に述べたとおり、「経済成長することのミクロな意味」が明らかになっていませんから、そもそもその2つのどちらが良いか、議論すらできてないのが現状なのです。

論壇は、学問に「先立つ」ものであり、学問の「後ろに立つ」

言うなれば、論壇は、学問に「先立つ」ものであり、学問の「後ろに立つ」ものなのでは、ないでしょうか。
まず論壇が、そのブレイン・ストーミング的な機能により、「このような施策が、このような社会を生み出すのでは」という仮説を提示します。
そして次に、学問が、その仮説の妥当性を検証し、仮説を証明、または棄却します。
最後に再び論壇が出てきて、証明された仮説に基づき、ではそこでどんな社会を目指すべきか、目指すべき社会像を議論する。
このような役割分担が、論壇と学問にはあるのであって、一概に論壇の学問化・エビデンス化を目指すことは、このような議論のサイクルを崩壊させるものに思えてなりません。
そして現在の論壇・学問の問題は、学問が論壇から離れてしまったことにより、論壇が自律して仮説を立て、その仮説を(検証ないまま)直接信じ、短絡した議論で「目指すべき社会像」を論じてしまう。一方学問は論壇と離れたために、新たな発想が生まれなくなり、既存の研究の追試ばっかりになってしまっている。そんな状況なのではないでしょうか。
重要なのは、論壇を学問化するのではなく、論壇と学問の役割分担をはっきりさせ、それぞれが「できること/できないこと」をしっかり認識する、そのうえで、両者の連携を図ることだと、僕は考えます。

政策提言のあるべき姿について

そして、そのような論壇と学問の共同作業によってこそ、北田氏らが重視する政策提言も実現できるはずなのです。
この鼎談では宮台氏が「エビデンスなしに議論をすすめる」として批判されていますが、エビデンスにこだわらず、論壇と学問の両がかりで言論活動を進めたからこそ、実効性のある政策提言ができていたわけです。
そして現在においても、社会において影響力を持つ議論は、論壇的なものと学問的なものの両がかりで進められています。
例えば、先日経産省のある若手官僚たちが示した「不安な個人 立ちすくむ国家」というプレゼン資料が大きな注目を集めました。
www.buzzfeed.com
blog.szk.cc
多分この資料は、鼎談に参加したお三方からすれば、大澤氏など鼎談で批判されている人が参加していることも相まって、まさしく「現在の日本の論壇の負の象徴」といえるようなものでしょう。
一応言っておくと、僕もこのプレゼン資料の中身には批判的です。僕が批判する理由は、主に藤田孝典氏と同じです。
経産省若手の提言「不安な個人」があおる世代間対立 | 下流化ニッポンの処方箋 | 藤田孝典 | 毎日新聞「経済プレミア」
しかし重要なのは、中身ではなく、このプレゼン資料の形式です。このプレゼン資料は、現代ニッポンの論壇的なものの領域内に踏み込むことによって、影響力を手にしています。
つまり、自分たちが目指す社会像が、人々の心性とどう相互作用を起こすか、仮説を提示し、そしてさらに、そういった社会が理想か、社会の理想像をも、提示しているという点です。
繰り返しになりますが、もし学問・科学的手法のみにこだわるならば、このようなプレゼン資料は作れないでしょう。科学は存在する仮説の検証はできても、仮説の提示はできませんし、さらに言えば社会の理想像という「価値観」を主張することもできません。
もっと言えば、このプレゼン資料は、まさしく「自分だけが本質を見ている系」です。ですが、そうやって「自分が社会全体の本質を見ることができている」と主張しているからこそ、「いや、社会全体はもっと違う機制で動いている」というような批判が可能になるわけです。これが「自分は社会の一部しかわからない」という、検挙で科学的な態度で書かれていたら、そもそも議論すること自体不可能になります。
鼎談では、「自分だけが本質を見ている系」であること自体が否定されますが、僕は、「自分だけが本質を見ている系」であること自体は、否定されるべきことではなく、むしろ論壇で主張をする前提ではないかと考えます。重要なのは、そこで他の「自分だけが本質を見ている系」との間で論争をすることを恐れず、どちらが信じる「本質」がより正しいか、オープンな議論で決着を付けることではないでしょうか。
そして、そのような営みを僕は「論壇プロレス」と呼びます。だからむしろお三方には、俺達こそ本物の「自分だけが本質を見ている系」だ!と主張し、今回の鼎談で示したような、シュートな批判を他の論客たちにもして、論壇の活性化に貢献してほしいのです。

*1:chiruda.cocolog-nifty.com

*2:この二者のうち、前者はこの鼎談での主な批判対象である一方で、後者はこの本を絶賛している(https://twitter.com/warakoichi/status/874807079009107969)というのもまた面白い

*3:デフレカルチャーと心の消費―『AKB48の経済学』 - 事務屋稼業

*4:そして、実際そういう論文は、その仮説が肯定されるにしろ否定されるにしろ、既存の研究の追試ばっかりやっているような論文よりずっと面白いです。まあそれは、それこそ僕の主観なので、押し付ける気は全くありませんが

中国・上海に行ってきました(2017/5/18~21)―2:南京東路~外灘編

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amamako.hateblo.jp
中国・上海旅行記。今回は南京東路~外灘を歩きます。

人民広場駅から歩く

ディズニーランド駅から人民広場駅まで地下鉄で行き、そこから南京東路を歩き、さらにその先の外灘を目指します。
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いかにも繁華街という感じ。しかしお腹が空いているなーと思って、まずは夕食どころを探す。
すると路地を入ったところにこんなお店を見つけたので、入ってみる。
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頼んだのはこの二品。
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麺の方は、うーん、カレー粉で味付けがされているんだけど、どうにも味が薄い……
湯包の方はまあまあ。開けたらスープが溢れ出して、食べ方がよくわからず、すすっちゃったんだけど、調べてみるとストローを刺してそこから吸うのが正しい食べ方らしい。
ま、とにかく腹ごしらえもできたので、歩いて行く。
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路面電車風のカート?みたいなのが走っている。のんびり歩いているとぶつかりそうになるのでちょっと怖い。
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メイソウという、ダイソー無印良品を足して2で割ったようなチェーンのお店があったので入る。中にはチープな雑貨やらが色々揃っていて、どれも結構安いので色々買ってしまう。
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買ったのは、パンダのライトニングケーブルに、Bluetoothスピーカーにノート。スピーカーは電源を入れると、いかにも中国っぽい訛りの英語で「ぶるぅとぅうす、ううぇいてぃんぐふぉうこねくてぃんぐ」と喋ってくれるので個人的にお気に入りです。音質?知るか。
という風に無駄遣いをしたところで再び南京東路へ。
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味千ラーメンだ。ディズニータウンにあった一風堂といい、日式拉麺は中国本土でも結構人気なんですかね。
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なんかいい笑顔だったので。
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なんか踊っていた。
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Apple Storeはやっぱり人気。
と、ここで南京東路は終わり。ここから外灘へは歩行者天国ではなく、普通に歩道を通っていくんだけど、これがなかなかの混雑っぷりでした。
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やっぱり建設・補修中の足場は竹なんですね。
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いかにも中国っぽい標語がずらっと並んでいて、個人的に萌える。ちなみに共産趣味成分は次の日存分に摂取する予定なのでお楽しみに。
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少数民族の衣装っぽい売り子がけだるげに立っていたり。

外灘

と、そうこうしている内に外灘へ到着。
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川のこっち側を見れば歴史的建築物。
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対岸を見れば超高層ビルという感じで、風景にみとれながら黄浦公園の方へと歩く。
ちなみに、人はものすごく多かったです。
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あと、こんな感じで、おそらく結婚写真を撮っている人も結構居ました。
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歩いているとなんか立派な銅像を見つけたので写真を撮ってみたり。
そうこうしている内に人民英雄紀念碑へとつきました。
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というわけで、ある程度建築物も夜景も堪能したので、南京東路駅へ行き、そこから地下鉄でホテルへと戻りました。
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趣のある路地を見つけたのでパシャリ。
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帰る途中自動販売機で買った飲み物。漢方風エナジードリンク?味はドクターペッパーから炭酸を抜いた感じでしょうか。
翌日はとにかく上海市内を観光しまくります。
つづき。
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中国・上海に行ってきました(2017/5/18~21)―1:上海ディズニーランド編

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上海旅行、まずは上海ディズニーランドを目指すことに。

なんで上海ディズニーランドに行くのか

元々結構ディズニーランドが好きな自分なんですが、ネットで検索すると上海ディズニーランドのアトラクションが結構面白いらしいという評判が多かったので、行ってみることにしたわけです。
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上海ディズニーランドへの道のり

これは単純に地下鉄を乗り継いでいくことになります。
で、地下鉄で向かう途中にびっくりしたのが、地下鉄の駅構内や、更には地下鉄の車内でまで、明らかに無許可であろう売り子が携帯アクセサリーやらカッパやらを売っていたことです。あと、車内で不動産のビラを配っている人なんかも居て、ああ中国っぽいなぁと感じたり。

上海ディズニーランド駅へ到着

で、上海ディズニーランド駅へ到着、そこからちょっと歩くともう上海ディズニーランドです。
自分は公式サイトで既にチケットを買っていたので、直接荷物検査をした上で、入場列に並びます。事前に入場チケットをネットで買っておくと、パスポートを見せるだけで入場できるのです。
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で、並んでたんですが、なんか前の人がすごい剣幕で係員に怒っています。どうやら自分の持っていたチケットが無効だったらしいのですが、結局怒りが収まるまで待つはめになりました。

上海ディズニーランドに入場

で、まあとにかく入場しました。最初に思った感想としては、「ああ、やっぱディズニーランドだなぁ」という感じです。まず最初に花畑が合って、で門を抜けると古いアメリカっぽい商店街が広がっているというのは、どこでも同じなんですかね。
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で、商店街を抜けると大きいお城が見えてくると。
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早速アトラクションのファストパスを取りに、まずはアドベンチャー・アイルというエリアへ向かいます。
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なんかたこ焼きが美味しそう。
で、ファストパスの発券場についたんですが、コレがまた結構な列の長さ。しかもお目当てだったソアリンはもう発券終了。まじかーと思いつつ、もう一つまだ発券しているロアリング・ラピッドのファストパスをとりあえず取っておきます。
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カリブの海賊

取った後、事前にスマートフォンにインストールしておいた公式アプリで各アトラクションの待ち時間をチェック。上海ディズニーランドは各アトラクションの待ち時間がスマートフォンのアプリから見られるんです。するとカリブの海賊が結構短い待ち時間で乗れそうだったので、トレジャー・コーブというエリアへ向かいます。
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すると見えてきましたカリブの海賊
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シングルライダーという、一人で乗る代わりに短い待ち時間で乗れる列があるのでそこに並びます。
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で、20分ほど待った後に乗船。アトラクション内の水路を船で周回していくというのが、東京ディズニーランドでのカリブの海賊のシステムなんですが、その基本はこちら上海でも同じ。ただ、東京と違って上海は、船の大きさがだいぶ大きく、1つの船に30人ぐらい乗ります。
そして何より、周回していくコースのクオリティが全然違います。プロジェクション映像やらを駆使してまるで海中を進んだりしているかのように感じさせたり、ド迫力の海戦を間近で体験したりと、とにかく東京のカリブの海賊の、ある種牧歌的とも言える雰囲気とは段違いの体験でした。

お城

で、満足してアトラクションを出た後、今度はお城へ向かってみます。
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ここも、なかなかきれいでした。
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トゥモローランド

今度はトゥモローランドというエリアの方をぶらぶらしてみます。
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ここ、東京ディズニーランドでは一番好きなエリアで、なんかこう、レトロフューチャーな感じがいかにも男の子心をくすぐるという感じなんですが、上海ディズニーランドでは、レトロが取れちゃって本当のフューチャーという感じです。好みとしては、東京のほうが好きですかね。でもまあ、まさに未来に向かって発展していく真っ只中の中国にとっては、こっちのほうがいいのかもしれません。
そんな中、ベイマックスのショーが行われているのでちょっと見物したりしながら。
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トロンのジェットコースターのファストパスを取って、スター・ウォーズ・ローンチ・ベイという、スター・ウォーズの展示がある施設へ向かいます。
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BB-8を撮ってみたり
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トームトルーパーのヘルメットを撮ってみたり
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ライトセーバーを撮ってみたり
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ハン・ソロ(冷凍済み)を撮ってみたり
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キャプテン・ファルコンのコックピットを撮ってみたり
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R2-D2の写真を撮ってみたり
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と、楽しみました。
で、施設を出たあと、通りすがりのスティッチを撮ったりしながら
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今度はマーベルの展示があるマーベル・ユニバースへ。
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お目当てはキャプテン・アメリカだったんですが、残念ながらその時間は不在。
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まあ、中国人のキャプテン・アメリカっていうのもなかなか語義矛盾ですからねー(だから撮りたかったというのもあるんだけど)。しょうがないからアイアンマンを撮ってみたり。歴代のアイアンマンが展示しているのはなかなか良いんだけど、でもやっぱ社長よりキャップ派なんだよなー。
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他のもアントマンやら
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スパイダーマンの看板なんかも撮ったりしました。
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昼食&パレード

そんな感じで、そろそろお腹が減ってきたので昼食を取ることにし、なんかパンが食べれる場所で昼食を取ることにしました。
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これ、外見ではすごい美味しそうで、だからこそ注文したのですが、実際に食べてみるとなんていうか、ボソボソしてるというか……香港ディズニーランドで以前食べたパンとは全然ちがって、ぶっちゃけあんまり美味しくありませんでした。まーディズニーランドの料理にもともと期待なんてそんなにしてないわけですが。
ただ、このお店が良かったのは、食べてるときにちょうどパレードがやってきて、パレードを椅子に座ってゆっくり見ることができたことです。
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ミッキー。
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バズとウッディ。
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アナとエルサ。
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ジュディとニック。

ロアリング・ラピッド

パレードが終わると、そろそろロアリング・ラピッドに乗れる時間なので乗りに行きます。
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なんか乗り場前では「濡れるから合羽買ってきな!」という売り子の声がうるさいけど、敢えてここは濡れるのを覚悟で、合羽無しで行ってみる。
結論から言うと、そんなに濡れませんでした。
急流すべりという感じなんですが、東京ディズニーランドスプラッシュ・マウンテンとは違ってあんまりストーリー性とかはなく、あんまディズニーランドっぽいアトラクションではありませんでした。
個人的には、ファストパスを取ってまで乗ることなかったなーという感じ。

ファンタジーランドでお散歩

ちょっとお散歩。
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ファンタジーランドで、待ち時間がほとんどない迷路があったので行ってみる。
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彫刻がかっこいい
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なかなかおもしろい場所でした。ただいかんせん人が多いですなー。そしてみんな写真撮るのが大好きだから、なかなかいい場所で写真が撮れない。

バズライトイヤー・プラネット・レスキュー

続いてトイ・ストーリーバズ・ライトイヤーのアトラクションへ。
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これも、システムとしては東京ディズニーランドにあるものと同じなんですが、撃ったときに銃が震えるなど、細かい点で改良が加えられていてなかなかおもしろかったです。

いよいよトロンへ

そうこうしている内に、トロンの時間になったのでトロンに乗ってみます。
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まず最初、荷物をロッカーに預けた上で、列に並びます。で、並びながらアトラクションの世界観や注意事項を説明する映像を見て、その後アトラクションに乗り込みます。
アトラクションは、バイク型のコースターがあってそれにまたがるという感じです。
ジェットコースターとしては、怖さはそんなにありませんでしたね。ただ暗闇の中を走って、次上下左右どこ行くかわからないから、疲れてると酔っちゃうかもしれません。というか僕は酔いました。
でもやっぱ暗闇を光が走るって面白いですね。もし混んでいなければ二回乗りたいアトラクションでした。
アトラクショに乗ったあとはトロンの車だったりの展示や、ちょっとしたゲームが遊べるエリアへ向かいます。
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ここは、まあまあという感じかなー。トロンの映画を見ていれば結構興奮するのかもしれないけど。

カリブの海賊に二回乗る。

もう一個他にアトラクション乗ろうかなと思ってアプリを見てみると、カリブの海賊が空いていたので乗りに行く。
結果から言うと一回目より全然良かったです。というのも、一回目は途中で先が使えて止まっちゃうこととかがあって、違和感を感じる場面が多少あったのですが、午後になって空いてくると、そういうことがなくスムーズに船が進むので、より一層アトラクションが楽しめたのです。
というわけで、カリブの海賊は、必ず一回は、空き始める時間に行くことをおすすめします。

ディズニータウンでお土産を買う

そろそろお土産買って上海ディズニーランドをあとにするかなと思ったので、お土産屋さんを探してみる。
すると、どうやら上海ディズニーランドの外にあるディズニータウンが、おみやげはむしろ多いみたいなので、上海ディズニーランドを出てディズニータウンを歩きます。
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というわけで、お土産も買ったので、そろそろ夢の国から離れ、上海中心街に戻ります。
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次回の記事では南京東路から外灘の夜景を紹介していきます。
つづき。
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中国・上海に行ってきました(2017/5/18~21)―0:中部国際空港~上海編

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というわけで、この前の記事の予告
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通り、上海に行ってきました。

今回の旅の主な目的

  1. リニアモーターカーに乗る
  2. 上海ディズニーランドがどんなもんか見物
  3. 普通に観光
  4. 共産主義グッズの収集

中部国際空港

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前回と同じように今回も中部国際空港から飛び立ちます。今回は春秋航空を利用して、お昼に中部国際空港を出発。
http://jp.ch.com/jp.ch.com
カウンターは結構混んでいました。
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飛行機は結構小さめ。
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機内もまさしくLCCという感じです。
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まあ、上海まではせいぜい2時間程度のフライトなので、個人的にはこんな感じでも全然問題はないと思います。
というわけで、昼寝しているうちに上海浦東国際空港に到着。
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早速空港について、SIMカードを入れ替える。今回はAmazonで購入したこのプリペイドSIMカードを使ってみました。

前回みたいに使えなかったり、使えてもGoogleのサービスとかが金盾とかで使えなかったらどうしようと思っていたのですが、無事インターネットに接続でき、Googleのサービスも使えました。
その後、出入国検査を通過して、荷物を受け取って制限エリアを出ると、なんか空港職員っぽい格好の人が日本語で「なにかお探しですか」と話しかけてきます。
で、リニア乗り場に行きたいと思うと話すと、「リニアとても面倒、タクシーのほうがいいですよ」とタクシーを勧めてきます。なんのことはない、タクシーの客比きでした。
しかし今回僕はそもそもリニアに乗りたくて上海まで来ているのです。客引きを無視して一路リニア乗り場へ。
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ちなみにリニアと言っても、さっきの客引きの様に日本語を話せる人じゃないと通常通じないらしく、英語ではマグレブと言うそうです。
で、リニア乗り場についたんですが、ここで一つ困ったことが。事前に調べた情報だとリニア乗り場のすぐ近くに、上海公共交通カードという日本のSuicaみたいにいちいち切符を買わなくても、タッチするだけでいいというカードを売っている所があるそうなんですが、これが見つからない。
リニアの窓口で言えば買えるのかもしれないですが、なんか説明するのも大変そうだしなーということで、ここでは普通に切符を買うことにします。ちなみに、行きの航空券を見せて切符を買うと一割引きでリニアに乗れます。
ただ、その後の旅行を考えると、ここでチャージ式のカードを買っておかなかったのは正解だったかもと思ったり。というのも、上海旅行中って、小銭が結構余るんですね。で、小銭を使う機会というのが、切符を買うときに券売機で使うぐらいしかなかったりするわけです。もしここでチャージ式のカードを買っちゃうと、大量の小銭を余らせたまま帰らなきゃならなくなったりするわけで、少なくとも僕はカード買わなくてむしろ良かったように思います。
さて、切符を買った後、中国では必ずある、駅での荷物検査を通ります。
この荷物検査がまた結構面倒だったりするので、上海観光をするときは、荷物はできるだけ少なく、一つのバッグにまとめておいたほうがいいです、駅によっては結構ゆるくて、荷物検査機に荷物を通さなくても何も言われなかったりするのですが、もし何か言われたりすると面倒ですし。
で、リニアは15分~20分感覚で運行されているので、ちょっと待った後、やってきたリニアに乗車します。
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上海浦東国際空港を出発した後、8分程度で龍陽路駅につきます。
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感想としては、「加速がすごい」ということもさることながら、「揺れがすごい」というのも結構ありました。おそらく、日本のリニアだともっと揺れなかったりするんだろうなと思ったり。ただそれでも、やっぱ速いというのは正義ですね。
で、あっという間に龍陽路駅へ到着。
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この駅で地下鉄に乗り換えます。乗り換える途中で猫を発見。
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そしていくつか地下鉄を乗り継いだ後、新開路駅へ行き、そこから今回泊まるホテル、上海蘇荷国際青年旅舎というところへ向かいます。
http://www.yhaonline.com/about.aspx?hcode=1001www.yhaonline.com
このホテル、下記の記事によると上海のマフィアの倉庫だったホテルを改築したホテルだそうで、実はこのホテルに泊まることも、今回の上海旅行の楽しみの一つだったりしました。
rocketnews24.com
ホテルの近くはこんな感じ。川岸に面していて、結構いい雰囲気の場所です。
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ホテルの門もこんな感じで、実に風情があります。
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チェックインを済ませた後、客室へ。今回はドミトリーではなく個室です。
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個室の中自体は極めて普通でした。窓から隣の公園が見えて、朝になると太極拳の光景が見えたりするのがちょっと面白かったですが。
その日はもう疲れたので近場で飯を済ませようと思い、ホテルを出て駅の近くへ、と、ここでマックを見つけてついついふらり。いや、いけないとは思うんですが、旅行先だとついついコミュニケーションに疲れ果てて、マックに寄りたくなるんですよ。
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なんかマックに貼ってあったポスター。向こうで人気のキャラクターなのかしら。
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というわけでマックに寄った後、ホテルに寄り就寝。明日の上海ディズニーランド詣でにそなえます。
つづき。
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「夢」の話

他人の夢の話ほどつまらないものはないとはよく聞く話ですが、まあ個人のブログなので、いくらつまらない話を書いてもいいのです。

夢の中で、僕は小学生でした。クラスは授業中、黙って授業を聞いている僕のような生徒も居れば、ぎゃーぎゃー騒ぐ生徒も居ます。
とうとう先生は怒って教室から出ていってしまいました、そうするとどうなるかは皆さんおわかりですね。そう、例の儀式が始まるのです。クラスの代表が誰か一人職員室へ行き、そして先生が職員室から教室に戻り、クラス全員に説教するという、例の儀式です。
その儀式は滞りなく進み、先生は教室に戻り、さて一つ軽い説教でもして授業に戻るかと、「君たち全員に責任があるんだぞ」と言った所で、ある一人の生徒がいきなり声を上げました。その生徒とは、僕です。

僕は夢の中でこう主張します。騒いでいたのは一部の生徒であり、中には僕のように、騒がずおとなしく授業を聞いていた生徒もいた。たしかに、騒がずおとなしく授業を聞いていた生徒も、周りの騒いでいた生徒を注意しなかったという点では一定の責任はあるのかもしれない。けれども、騒いでいた生徒と騒がなかった生徒、全員等しく同じ責任があり、全員同じように謝罪しなきゃならないというのは納得がいかない……と。
まわりの生徒は「まーたあままこのアレが始まったよ」と、少しイライラした呆れ顔で僕を見ています。そう、僕はこういう風に、波風を立てなければそれで済むような場面で、無用な揉め事を起こし、周りからウザがられる、そんな子どもでした。先生は「いや、それでもお前たち全員責任がある」として収めようとしますが、あんまり僕がうるさいのでどうしようもなくなり、とうとう別の先生を呼びました。

別の先生は、僕をこう叱ります。「そんなことを言って結局お前は、自分の罪を軽くしようとしているだけなんだろう。あやまりたくないだけなんだろう」と。しかし僕は黙りません。仮にそうだとして、でも僕の議論にあなたたちは答えていないじゃないか。全員同じ罪なんだから全員謝罪しなさいというけれど、そのような論法には納得がいかないから、僕はあくまで謝罪はできない、と。

あくまで僕は折れません。困った先生は、また別の先生を呼び出しました。その先生は、まず僕の主張を熱心に聞きます。そして聞いた後、少し考えたあとで、こんな例え話をしだしました。

例えばここに人を殺した人がいるとする。この人は悪い人かね?と、ある生徒に聞きます。その生徒は、そりゃあ悪い人だろうと答えます。それに対し、ここにものを盗んだ人がいるとする。この人は悪い人?と、また別の生徒に聞きます。その生徒も、悪い人だろうと答えます。そこで先生はこう訪ねます。さて、ここで言う「悪い」とは、同じ「悪い」なのか、違う「悪い」なのかと。
ある生徒は、どちらも同じ悪いことなのだから、同じ「悪い」なのではないかと答え、別の生徒は、そうは言っても人を殺すのと物を盗むのだと、さすがに程度が違うから、違う「悪い」なのではないかと。

そのような意見を聞いた後、今度その先生は、別の話をします。あるところに、世界中に戦争をしかけ、周りの国に酷い迷惑をかけながら、戦争に負けた国があった。その国では、そのような戦争の責任を誰が取るのかという議論が起き、ある人は国民全員がその責任を取るべきだと主張し、また別の人は、この国を戦争に向かわせた偉い人が悪いのであって、一般国民は悪くないと主張した。
けれど、実際にその国にひどい目に合わされた周りの国から見るとどうだろう。悪いのは結局その、戦争を仕掛けて負けた国全体であり、国全体で責任を取ってもらわないと納得がいかないんじゃないだろうかと。

そして最後に、先生はこんな話をしました。それは、当時はやっていたJ-POPの曲の話で、その曲は、失恋した女の人が、なぜ自分が振られたかをいつまでもぐちぐちと悩む、そんな曲。その曲を例に取りながら、先生は、あることの原因を深く追求するというのは、良いことのように思われがちだけれど、しかし中には、こういう風にずっと追求することが何も産まない場合もあって、そういう時は、どこかであっけらかんと、たとえそれが嘘だと分かっていても「これが悪いんだね、はい終了」で収めるほうが生産的な場合もあると先生は思うな、と。

そのような話を滔々と聞いている内に、なぜか自然と僕の中から怒りが消えていきました。そして、そこまで意固地になる必要もないのかなと思えてきたのです。多分それは、自分の話していた内容が、決してわがままではなく、哲学・思想的にも議論が別れる重要なテーマであるということを、先生が認めてくれた。そして認めた上で、きちんとなぜ全体で謝罪すべきなのかの理由を、相手の意見を意見として認めた上で、それとは対立する意見として提示してくれたという点からじゃないかと思うのです。
夢はここで覚めました。

よく、twitterの意見をまとめたりするサイトで、「こんな馬鹿のことを言っている人がいるよー」と、一見ネットの常識や、多数派の意見から見るとおかしく思えることを晒し上げる、そんなまとめがあります。
しかし僕は、そういうまとめが好きではありません。どんな意見も、それを言う当人の中では、きちんとその意見を支える論理があるわけで、そしてその論理を聞いてみれば、なるほど確かにこれは難しい問題だと思える意見も、多いからです。
むしろ僕は、多数派・少数派や、常識・非常識にとらわれず、対立する2つの意見を公平に紹介し、そしてその上で、その対立が実は、このような議論の問題とつながっているんではないかと示してくれる、そんなまとめが好きですし、そういうまとめを作りたいと思うのです。
もちろん、そういうまとめを作るには、実際は深い教養が必要で、僕の知識はとてもそんなところまで行っていませんから、まだまだ理想には程遠いでしょう、
しかしそれでも、少なくとも様々な意見に敬意を払い続けることは忘れたくないなーと、夢から覚めた時、改めて思ったり、したのです。

本当の「モヒカン族の最後」

IVC BEST SELECTION モヒカン族の最後 [DVD]

IVC BEST SELECTION モヒカン族の最後 [DVD]

www.buzzfeed.com
anond.hatelabo.jp
togetter.com
上記の件を追っかけていてふと思い出した思い出話。
今回の件、「無断リンク禁止」とか「無断引用」とかみたいな単語で検索すると、なんか懐かしさを感じている人が大勢いる。

そんな光景を見て「儀礼的無関心なんて言葉もあったなそう言えば」みたいなことをのんびり考えていたのだが、ふとそこで色々昔の記憶がフラッシュバックしてきましてね……
僕、昔「無断リンク・無断引用禁止擁護論者」としてインターネットで結構主張していたんだよな……
Rir6アーカイブ - 2005-07-10
もう昔の記事を読んでると自分の中でも顔から火が出るぐらい恥ずかしい*1わけですが、しかしあらためて読んでみると、なんか今回の問題と似ているなぁと思ったりするわけです。
ま、もちろん違う部分はありますけどね。でも、研究目的の引用が許されるか否かという点では、結構今回の論争と似たような議論をしていたような覚えもあったりなかったり……論争相手の方のページが消滅しているのでなんとも言えませんが。
その当時は、インターネット上では「モヒカン族」と呼ばれる、無断リンク禁止とか情弱のすることだぜヒャッハーみたいな人たちが跳梁跋扈していて、そういう人たちへ対抗するつもりで、ekken氏とかと論争していました。
ひるがえって現在。
上記のまとめでも分かる通り、世間では「リンクとか引用には一定の配慮が必要だろ。インターネットだからって何もかも自由なわけではない」みたいな主張が大勢を占め、モヒカン族みたいな主張はほとんど見られなくなり、まさしくモヒカン族は、そのモヒカン族のモデルとなったネイティブ・アメリカンかのように「絶滅」してしまったわけです。いや、実際のネイティブアメリカンは決して絶滅なんかしていないわけだけど。
つまり「最後に立っているのが勝者」という論法で言えば、まさしく勝者は僕だってのであり、勝ったのだから喜ぶべきことな、はずなのだけれど……
何なんだろうね、この胸の寂しさと違和感は。というか今の僕の気持ちを正直に言えば、「無断引用禁止とか何言ってやがんだ」という感じなわけで……
ただ逆張りなだけなのかもしれないけど、なんか違和感を感じてしまう、今日このごろなのです。

*1:恥ずかしい理由は若かったという理由以外にもあるのだが、それはちょっとネットでは話せません

マクロレンズでプラモデルを撮る(フィギュアライズ高海千歌)|

千歌ちゃん全体像
なんか新しいレンズが買いたくなった(レンズを買うことが目的となっている……)ので、ニコンの40mmのマクロレンズ*1を購入しました。

Nikon 単焦点マイクロレンズ AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G ニコンDXフォーマット専用

Nikon 単焦点マイクロレンズ AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G ニコンDXフォーマット専用

で、買ったは良いけど、マクロレンズで何を撮れば良いか、いまいち思いつかない……
とりあえずお花を撮ってみたり
花畑
ボケた花
赤い花
食事を撮ってみたりするものの
ケーキ
どーもいまいちピンとこない。ピントも合わない。
そんな折、静岡ホビーショーにちょっと行ってきまして、模型を色々撮ってみたら、結構これが面白い。
ミクさん全体図
ミクさんアップ
西住殿
大洗女子
白い戦車
電気機関車
というわけで、それだったら自分で模型を作ってみようということで、早速購入してみたわけです。
今回購入したのは、こちらの「フィギュアライズ高海千歌」という商品。まず、彩色をするのは手間がかかりそうだったのでパス。となるとガンプラかフィギュアかということになるわけですが、フィギュアは高いしガンプラは、別にガンダムモビルスーツってそんなに興味ないし……と思っていました。
そんな中と、この商品を見つけまして

  • ガンプラと同じ工法で作られているから彩色の必要はない
  • 組み立て式のプラモデルだから完成品のフィギュアより高くない

という二点から、これに決めたわけです。

組み立て

フィギュアライズ高海千歌
メイドイン静岡
誇らしげに書かれる「メイドイン静岡」の文字。
というわけで、購入した商品を早速組み立ててみます。まずは開封。
プラモの中身
おお、本当にプラモデルだ。まずは説明書を眺めてみる。
説明書
……ここらへんでちょっと「これもしかしてキツいやつじゃね?」と思い始めています。
まあ、気を取り直して、ランナーを取り出し
ランナー
まずは目の部分から作成していきます。
パーツの一部の目
目のパーツ
……1時間経過。
組み立て途中
ヒイヒイ言いながら頭の前が完成。うーん、こうやって未完成の部分部分のパーツを見ていると、何かイケナイフェチズムに目覚めそうだ。
とかなんとか考えながら、さらに組み立てていく。
頭完成
頭部が完成。ここらへんでは、組み立て式プラモデルを選んだことにだいぶ後悔していました。最初から出来上がってるフィギュアならちょっと高くてもこんな手間はないし、シールの貼り間違いとか、切り離しに失敗して残っちゃった部分とか、そういうのもないのになーと。
まあでも買っちゃったもんは仕方ない。今更後戻りはできないのじゃー、ということで組み立て再開。
胴体完成
胴体を組み上げ、残りの手足を組み立てて……

完成

千歌ちゃん左から
完成ー。パーツ一つ一つを見ると粗はあるけど、まあ気にしない。
千歌ちゃん右から
うむ、今度はアップで撮ってみよう。
ローからのアップ
右上からアップ
左上からアップ
おお、これはなんか、いかにも「マクロレンズでしか撮れない写真」っぽくていいね。
というわけで、1900円ぐらいで、3~4時間ぐらいの楽しい体験ができました。

プラモデル作りの感想

  • 途中は嫌になって投げ出しそうだけど、なんとか完成してよかった。
  • もっと注意深くやれば、もっと出来栄えは良くなるんだろうけど、そもそも僕の心と体はそんな集中力と手先に器用さを持ち合わせていないという……
  • でも、これでプラモデルの中では初級も初級の方なんだろうなぁ。
  • しかし手間暇かけた分、普通に買ってきたフィギュアよりは愛着が湧く気がする。

レンズの感想

  • 接写するときはある程度絞らないと、ボケやすい
  • でも絞っちゃうと今度はシャッタースピードが遅くってぶれる。というわけで、実は接写ほど、↓みたいな小型三脚を使わなきゃならないということがわかった。

Manfrotto ミニ三脚 PIXI ブラック MTPIXI-B

Manfrotto ミニ三脚 PIXI ブラック MTPIXI-B

  • あとはやっぱストロボがほしい。今まではほとんどストロボ使わない撮影ばっかりやってきて、特に不満もなかったけど、こういう撮影をするとやっぱストロボが欲しくなるね。

  • もっと言うと撮影ボックスも欲しくなるね。やっぱ背景がきちんとしてないと。

まとめ

最初は、「マクロレンズで模型を撮って、↓のブログみたいな写真を目指すぞ―」
wivern.exblog.jp
と意気込んでいたわけですが、うん、こりゃ無理だ。テクニックから設備、何なら何までレベルが高すぎるし、そこまで努力する気も起きないし。
でもまあ、そんなすごい写真は撮れなくても、自分で組んだプラモデルを自分のカメラで撮るというのは、例えその写真のクオリティは高くなくても、自分で作ったという思い入れがあるために、なかなか楽しいということがわかりました。あとは手先がもうちょっと器用で根気があればなー。
さて、次は戦車のプラモデルでも組んでみますか。↓のプラモデルが、ガールズ&パンツァーにも出てきてたし、評判もいいので、組んでみようかなーと考え中。

しかしこれだけ初級のプラモデルでひいひい言っているのに、いきなり戦車とか大丈夫なんだろうか……?

*1:ニコンは「マイクロレンズ」であると言い張る

台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー5:台北お買い物編

台湾旅行5日目(最終日)。今日は台北を回ってひたすらお土産を買います。

永康街

まずはお土産用の雑貨を買うために永康街へ、MTRを使って東門駅へ向かいます。
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日本人観光客が結構多く、日本語もたくさん聞こえてきます。
ぶらぶら歩いていると結構お土産用の雑貨がありそうなお店を見つけたので訪問。
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www.taipeinavi.com
なかなかセンスの良いMade in Taiwanのシノワズリ雑貨が並んでおります。
というわけでお土産用の雑貨はここで購入。頼まれていた台湾バッグ(こーいうの↓)
item.rakuten.co.jp
やら、中華っぽい柄のハンカチやらを購入。お店の人も日本語が堪能で、なかなかおすすめのお店です。

台湾同人誌

台湾のオタク文化に触れてみよう(アニメイトやらアイマスライブやらでさんざん触れてみた気もするけど)、ということで同人ショップに行ってみることに。
インターネットで調べてみた所、こんなお店があるらしい
go-taiwan.jp
というわけでメトロで龍山寺駅へ。そこから上記のブログの説明に従って行ってみると、ありました。
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なんか行き方も店内の様子も、いかにも同人ショップという感じ。もちろん、とらのあなとかメロンブックス秋葉原店みたいに大規模ではなく、秋葉原のビルの中にある中小の同人ショップね。
値札が貼ってなくて少々怖かったけど、思い切って色々購入。
まずはデレマスの同人誌&クリアファイル&マフラータオルのセット。
台湾で買ったデレマス同人
同人誌はイラスト集。説明文が日本語と繁体字両方併記されていてわかりやすい。
奥付を見ると「Print in Hong Kong」と書いてあるので香港の人の同人っぽい。
サークルのサイトは↓みたいです。
黑蛛白蛛
続いて中国の鉄道の擬人化みたいな本を二冊購入。一冊はイラスト集でもう一冊は4コマ漫画。
台湾で買った鉄道擬人化同人
調べてみると、「天朝鉄道少女」というのは元々同人イラスト集として売り出されて人気になったもので、2015年には実際に中国高速鉄道の公式イベントに登場したこともあるそう。
中国高速鉄道が萌え擬人化! 「天朝鉄道少女」 ~速さと優しさ~ : 中国アニメブログ ちゃにめ!
中国の鉄道萌え擬人化同人誌「天朝鉄道少女」が鉄道会社と正式コラボしちゃった! : 中国アニメブログ ちゃにめ!
サークルのサイトは↓。この同人サークルは中国の同人サークルみたい。
北方铁道萌化部

パイナップルケーキ

次は、パイナップルケーキを買いに、下記のブログで紹介されていた微熱山丘と佳徳糕餅へ。
thisischinablog.com
まずは微熱山丘へ向かいます。MTR台北小巨蛋駅へ向かい、そこから結構歩きます。
道すがら台湾の団地やら
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学校やら
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町中やら
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を撮りながら進んでいくと、大きい公園があり、その公園の側に行列を発見。
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どうやらここが微熱山丘らしいです。
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ここでは買う前に一つパイナップルケーキの試食ができるそうなのでいただく。
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うん、パイナップルケーキも美味しいし、それと一緒に出されたウーロン茶も、パイナップルケーキとなかなか合いますなー。
というわけでパイナップルケーキを一つと、茶葉を購入しました。
さて、続いては佳徳糕餅へ。微熱山丘からは歩いていくのが一番近そうなので徒歩で。
途中台湾の学生たちが描いたと思われる壁画を発見。
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なかなかセンスがいいですなー。
と眺めていると、初音ミクっぽいものが描かれた壁画を発見。
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あらかわいい。
そうこうしている内に佳徳糕餅へ到着。
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こちらも結構行列ができていて並びました。
微熱山丘はパイナップルケーキのみの販売でしたがこちらはパイナップルケーキ以外にも色々売っていて、どれも美味しそうでした。しかし、持ち合わせがあまりなかったのと、クレジットカード使えるレジがむっちゃ混んでいたので、購入したのはパイナップルケーキ3つとクランベリーケーキ3つのみ。もっと買いたかったなー。
ちなみに、帰国した後に食べた感想としては、どちらのパイナップルケーキも美味しくて、ほんと前にお土産屋さんで適当に買ったパイナップルケーキとは全然違いました。
味の特徴としては、微熱山丘はパイ生地がさっくりしていてきちんと味がついているのに対し、佳徳糕餅は中身で勝負!という感じ。家族には佳徳糕餅の方が好評でした。

光華商場&三創生活園区

続いて向かったのは台湾の電気街、光華商場。MTRで忠孝新生駅まで行き、ちょっと歩くとこんな看板が。
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周囲もパソコン店やらスマートフォン店やらが軒を連ね、こんな感じ。
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というわけで光華商場の中に入ってみます。と、こんな萌えキャラたちがお出迎え。
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というわけで色々とウィンドーショッピングした後、今度は横の新館、三創生活園区へ。
こっちのお店は光華商場よりおしゃれできれいめ。家電量販店みたいな感じです。あと、サブカルチャー系はこっちのほうが強い。
COSPAとか
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KOTOBUKIYAとかもあったりします。
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鉄血孤兒、かっこいいな。
ミラクルニキの自動販売機なんかもあったり。
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一通りぶらぶらした後、外でお茶を買って休憩。
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これは全糖のほうが良かったかも。

大同電鍋

最後に大同電鍋というものを買いに大同3Cの台北復南門市店を目指します。
大同電鍋というのは、この本

の表紙にもなっている、台湾を代表する炊飯器です。日本でも大きいのはネット通販で買えるそうなんですが、小さいのは現地でしか買えないというわけで、買いに行きます。
忠孝復興駅を降りてGoogleマップさんに聞きながら台北復南門市店を目指すと、あらありました。
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売り場にもお目当ての大同電鍋があります。というわけで購入。最初英語が通じなかったですが、奥から日本語が分かる人が出てきて無事購入できました。
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ただ、買ったは良いけれど日本に帰ってきて未だ使えてないのは内緒。茶葉蛋とか魯肉飯とか作りたいなー。

空港

というわけで、大同電鍋を買ったところで、そろそろ飛行機が出る時間なので空港へ。
空港でチェックインをした後、フードコートで鹹酥雞を食べたりした
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後、出国審査をして搭乗口前へ。
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搭乗口近くにはGIANTの自転車が飾ってあったりしました。
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そうこうしている内に搭乗時間がきたので搭乗。
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無事台湾を後にしました。
……日本に帰国する時、入国審査でスーツケースを開けられ、買い込んだ台湾の飲み物やら大同電鍋やらを説明するのがちょっと恥ずかしかったり。

最後に

台湾、5日間旅行しましたが、ほんと人がみんな優しくて良いですねー。物価も、日本と比べればまだまだ安いおかげで、買い物とか食事の際に、お金の心配する必要はないし、おしゃれなカフェとかも気軽に寄れちゃう、ほんとビギナーには安心の外国です。
定番の観光地もまあまあ楽しいんですが、僕的なおすすめの観光方法は、町並みとか風景とかが良いとされている地区をインターネットで調べた上で、そこでとにかくブラブラしてみることです。海外旅行の面白さって、少なくとも僕にとっては、その土地の、日本とはちょっと異なる生活様式や文化を体験して、写真に撮ったりすることみたいなので。
さて、そんなこんなで台湾旅行一人旅で海外旅行の経験値を貯めたあままこ。次に向かうのは……

上海!いよいよ共産党ファン憧れの中華人民共和国本土へ。果たしてどんな旅行になるのか、5月18日~5月21日に行く予定なので、なにか面白そうなところとかが合ったら、ぜひぜひ教えてください。ではではー。