あままこのブログ

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「ベスト・アニメ100」への意見をまとめてみた&僕が思うベスト・アニメ10

「ベスト・アニメ100」への意見をまとめてみた

というわけで、相変わらず盛り上がっています「ベスト・アニメ100」。ちょっと自分でも、一体どういう点が問題視されているのか、人々の意見が気になったので、togetterでまとめてみました。
togetter.com
ざっと見た感じ、否定派の意見は主に次の6つに大別されるようです。

  1. 一つのアニメだけ好きなファンたちが多重投票できてしまうのが問題だ
  2. 女性票が多すぎる
  3. 1期、2期、劇場版と分かれて投票しなければならない投票システムがおかしい
  4. 作り手や批評家たちを参加させたり、投票以外も加味したりするべきだった
  5. もっと普通の人々・非オタの意見も反映すべき
  6. 選ばれた作品が納得行かない

この中で僕の意見(前回の記事
amamako.hateblo.jp
参照)、4番の「作り手や批評家たちを参加させたり、投票以外も加味したりするべきだった」かなーと思ったりします。選ぶ人がある程度作品を知ってるからこそ、「たくさんの作品の中でもこれが一押しだよ」というのが参考になるんであって、それこそタイバニ以外全然アニメを見ない、というような人が「タイバニ最高!」と叫んでるとしたら、その意見にどれほどの価値があるのかなと思ったりするわけです。
あるいは、もしこれがベストアニメ100を決めるための投票ではなく、好きなアニメを投票させた上で、「このアニメ作品を好きな人は他にはこんなアニメ作品が好きなんだな」というような、アニメ好きのクラスタ分析をするというような企画なら、こういう投票方法でも文句はなかったと思うんですよね。ところが、せっかくたくさんの投票があったのに、明らかにしたのは単純な得票数だけと、あとはせいぜい性別・年齢といった単純な層別データだけ。あれだけ近年ビッグデータビッグデータ言われて、そして立派なソーシャル分析チームも持っているNHKなんだから、もうちょっと分析のやりようがあったんではないかとも、思ったりするわけです。

僕が思うベスト・アニメ10

さて、「じゃあそういう大層なことを言うお前は、じゃあどんなアニメを『ベスト・アニメ』に選ぶんだよ」というツッコミもそろそろ来そうなので、ここらで僕が思う「ベスト・アニメ10」を紹介してみます。*1自分が好きなアニメは以前、
amamako.hateblo.jp
という記事で紹介したことがあったので、ここでは自分の趣味は抜きにして、「教養としてどういうアニメを見ておくべきか」という点で、ベスト・アニメ10を選びました。といっても、やっぱりそういう観点で選ぶと、前回の記事でも紹介した「アニ軽10」
anond.hatelabo.jp
と似たようなラインナップになってしまうわけですが。
ラインナップは以下のとおりです

第1位:風の谷のナウシカ(宮﨑駿監督)

風の谷のナウシカ [Blu-ray]

風の谷のナウシカ [Blu-ray]

1位が宮﨑駿監督なのはあまりに予定調和感がありますし、きっと投票でもそういう意識が合ったから、宮﨑駿作品があまり入ってないのだろうなとは思うのですけど、でもやっぱ、宮﨑駿監督を筆頭に、参加しているスタッフがその後日本のアニメ界を代表するような人材だったという点、シナリオの完成度の高さ、そしてもちろん作画の素晴らしさ、そして後世に与えた影響、どれをとっても、やっぱりこれが1位じゃなきゃいろいろおかしなことになっちゃうと思うんですよね。いやほんと、一旦自分がどのアニメを好きだとか、どのアニメを推したいとかそういうことを抜きにして、まっさらな気持ちで「日本アニメのベストは何か」って考えてみてくださいよ。その上でまだあなたがタイバニとかまどマギとかラブライブとかを、『風の谷のナウシカ』より上だと言うんなら、僕はもう何も言いません。

第2位:新世紀エヴァンゲリオン庵野秀明監督)

毀誉褒貶あるのは認めます。僕だって、個人的な好みを言えば、TV版より映画版が好きだし、もっと言えばウテナとかのほうが好きではあります。ありますけど、でもやっぱ、あの90年代後半の時代を一身に受け、その後のアニメの文法そのものをまるごと変えてしまった影響力を考えると、ベスト10の中でも上位なのは間違いないと思うのです。

第3位:うる星やつら押井守監督)、第4位:うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー押井守監督)

あえて2作入れたのは、ある種自作自演的に、TV版がその後オタクアニメのスタンダートとなるドタバタラブコメの文法を作り上げながら、映画版でその文法を破壊して、オタクの実存に迫る私小説的シリアスさを見せつけたという点で、80年代に人口に膾炙したオタクというものの陰と陽がそのまま、この2つに込められていると思ったからです。
ぶっちゃけ80年代以降のアニメの内、オタク受けするアニメはだいたい全部うる星やつらのTV版か、ビューティフル・ドリーマーの焼き直しであると言っても過言ではないと思います。それぐらい後世に与えた影響という点でもすごい。ジブリエヴァのような知名度がないのが唯一の弱点といえば弱点かなーとは思いますが、しかしベストアニメというお題でこれを外すんなら、そのベストアニメにどれほどの価値があるのかと思ったりします。

第5位:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア富野由悠季監督)

宮崎・庵野・押井ときたら、やっぱどこかで富野作品は紹介しなきゃならないし、宇宙世紀ガンダムもどこかで紹介しなくてはならないでしょう。ただここで問題となるのが、宇宙世紀ガンダムは、正直今までの作品と比べると古びているというか、時代によって色あせているところがあるということです。「懐かしアニメ」なら上位なのでしょうけど、今の作品とくらべてベストなのかと言われると、僕がガノタではないというのもあるのでしょうが、正直「うーん……」と答えざるを得ません。
ただ、そんな中でも逆襲のシャアは、作画・脚本どちらをとっても、傑作と呼ぶに素晴らしい、そんな作品だと思います。そして、70年代的な、正義の相対化というガンダムと、80年代的な、AKIRAにも通じる超能力・オカルトの2つの橋渡しをしているという点で、ガンダムを代表する作品でもあると思うわけです。ニュータイプという、その後の異能力アニメの先駆けとも言えるという点で、影響力も問題なし。というわけで、宇宙世紀ガンダムでは、逆シャアをランクインさせました。

第6位:機動戦士ガンダムSEED福田己津央監督)

これは異論が大きいだろうな―。もちろん、これまでの作品と比べたら、脚本・作画共に粗があるのも事実なわけですが、しかしやっぱりなんといっても、9.11直後という時代背景を舞台に、リアルっぽい政治を組み込んだ少年向けアニメという、その後現在の機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズまで続く、土6っぽさ*2、更に言うと、コードギアスとかギルティクラウンとか、あるいはPSYCHO-PASSとか虐殺器官とかに連なる系列のアニメを生み出したという点で、後世への影響力は段違いなものがあると思うんですね。また、J-POP歌手をOP・EDに起用したり、美男美女を用意したりして、「オタクだけど別にスクールカースト下位ではない」という、人種を生み出したのも、ガンダムSEEDだったと思うのです。涼宮ハルヒの憂鬱とかのフィーバーも、ここらへんの礎があったからこそ。物語も、もちろん王道ではないですが、しかし日本のアニメというのは、そもそも王道を嫌ったケレン味こそを持ち味としてきたわけで、そういう点では王道ではないけど日本アニメの本流ではあり、そしてそのケレン味はやっぱり今見ても面白い。年長世代、とくに宇宙世紀ガンダム好きのガノタの人々を怒らせたとしても、これを入れないと、日本アニメの重要な部分を見逃すことになってしまうと、そう思うわけです。

第7位:らき☆すた山本寛監督→武本康弘監督)

ゼロ年代後半、ニコニコ世代の象徴です。涼宮ハルヒではまだかろうじてあった、物語へのこだわりというものがもはやない、あるのはMAD素材の組み合わせ。80年代、あらかじめ終止符を打たれてゾンビとして世の中を徘徊していたオタクという人種が、まさにここで心臓に杭を打たれ、「ヲタ」という動物に戻ってしまうわけです。らき☆すた以前とらき☆すた以降では、アニメというものの見方が全く異なってくるわけで、現代オタクを語るなら、ここは外すことはやはりできない。作品の質という点では、受け付けるのに少々、見方の工夫が必要になるかもしれませんが、しかしそこで、「今時のオタクはどうやってアニメを見ているか」を学べるという、教材という意味でも、一度は見ておくべきじゃないかなと思うわけです。見た上で、「こんなアニメを面白がる今のオタクは糞だ!」と怒ってもいいですし。

第8位:けいおん!山田尚子監督)

現在のアニメの一大潮流となっている日常系というものは、まさしくここで完成していたわけです。それまでアニメのメインテーゼであった、「成長」というものに全く背を向けたその作品は、まさしくあのデフレ・低成長時代にマッチしていたわけです。そして何より京アニが全力を出した演出。日本アニメが、動きの表現とかそういう派手なものの裏でずっと大事にしていた、空気感を伝える背景・作画が、この作品にはあるわけです。
まあ正直まだ歴史的評価が定まってない作品ではあるので、ベストアニメに選ぶのは勇み足なのかもしれませんが、しかしやっぱこの日常系というものの到達点は、ベストアニメで触れておきたいというわけで、選んでみました。

第9位:スレイヤーズ(渡部高志監督)

正直これは「あえて」で選びました。何に対してのあえてかと言うと、90年代=エヴァという風潮に対してのあえてです。
90年代というとどーしてもエヴァ的な「闇」っぽさが兎角クローズアップされがちなんですが、しかしエヴァってどっちかというと90年代の終わりごろに出てきた作品で、エヴァフォロワーはそれより更に後、場合によってはゼロ年代にかぶってきちゃうわけです。じゃあエヴァ以前の90年代が一旦どういう時代だったか、それを象徴するのが、林原がそれまでの林原らしい勝ち気な女性を演じてる、この作品じゃないかと思うわけです。
といっても、他にもデ・ジ・キャラットとか、アキハバラ電脳組とか、あるいは無責任艦長タイラーとか、他にもこの時代っぽいアニメはあるわけです。そして、この時期っていうのは、ビューティフル・ドリーマーエヴァという二大作品に挟まれた、アニメ批評の空白域とも言えまして、正直万人が納得する代表作を選ぶのは困難に近い。
ただそんな中で、やっぱ林原という存在を考えると、スレイヤーズが一つ抜きん出てるのではないかと思うわけです。ただ、リアルタイムにこの時期アニメを見ていた人なら、もっと違う作品こそを90年代前半~中盤の代表作に選ぶのかもしれません。その場合、異論は認めます。
ただ、やっぱりビューティフル・ドリーマーエヴァの間に何かあった気がして、しかしその時期をみんな忘れてしまっているならば、そこをあえて思い起こさせるのは、ベストアニメに求められることだと思うのです。

第10位:AKIRA大友克洋監督)

AKIRA 〈Blu-ray〉

AKIRA 〈Blu-ray〉

これに関しては、もう圧倒的にアニメの質という点で選びました。いや、もちろん後世への影響力とか、時代の雰囲気の反映とかもあるのでしょうが、その点からするとこのアニメより上は多いわけで、やっぱ圧倒的な作画・演出が、この作品を選んだ何よりの決め手になります。
アニメっていうのは総合芸術なわけで、絵・脚本・演技・劇伴全てが素晴らしいこの作品は、まさに日本のアニメの到達点だと思います。

選外作品について

後世に与えた影響という点では、宇宙戦艦ヤマト世界名作劇場、あるいはあしたのジョーとか、監督名で言うなら大塚康生氏とか出﨑統氏とかの作品も取り上げるべきなんでしょうが、正直今のアニメになれちゃうと、どーにもいろんな点で見劣りしちゃうと、個人的には思うのです。作り手になったり、ハイアマチュアを目指すならこれらの監督の作品を見て、制限多い時代だからこそ際立つ演出技法とかを学ぶのはマストかもしれませんが、万人に勧めるべき作品なのかというと、個人的にはそこまで学ばなくてもいいんじゃないかと思うのです。

ココらへん、僕が個人的趣味で選ぶのならもちろん選ぶんですけどね―。後世に与えた影響という点ではやっぱり劣っちゃうかと。

もちろん辻真先先生とか、個々でマニアックに楽しむ点はあるとは思うのだけれど、現代のアニメの流れとは隔絶しちゃってるんですよねぇ。

もちろん個別の作品としては傑作だと思う、思うのですが、新奇性も、ファンが言うほどはないと自分は思っていたり、後世への影響も、エヴァとかに比べるとぶっちゃけそんな大きなものではなかったなと。、良くも悪くも、エヴァのころと比べて、作品が多様化しているというのもあるのですが。

社会現象という点では申し分ないです。でもお話になにか新奇な面白い所があったかというと……

ここらへんの作品は、個人的には大好きなんですが、フォロワーがどうもついてこない印象があります。なんか一つの集団内でずっと続いてきた系譜であって、それ以上でもそれ以下でもないという感じ。メジャーまではいくんですが、社会現象までにはならないというか。

いや冷静になってください。

*1:100紹介するのはさすがにきつい

*2:というとゾイドを上げる人が居るかもしれないけど、でもやっぱりあの土6独特の雰囲気は「ガンダムSEED」から始まったわけで

台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー4:アイマス765ミリオンライブ編

台湾旅行4日目、今日は台北に戻り、アイマスの765&ミリオン合同ライブを見に行きます。

ライブ前

ホテルをチェックアウトし、まずは高雄から高鉄で台北へ、そこからMTR台北國際會議中心まで向かって、物販列に並びます。
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物販で並ぶのは世界共通。
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会場からは 台北101もよく見えます。
1時間ほど並んだ後物販へ。
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ペンライトとタオルは売り切れていたので、パンフレットとトートバッグとTシャツのみ購入。
物販購入した後は、MTRに乗ってとりあえず一旦、今日泊まるホテル、「UZ Hostel」に行き、チェックインして荷物をおいてくる。
www.uzhostel.com
ちょっと台北中心街から遠い、板橋という所にあるホテルなんですが、とても清潔で、日本語の説明なんかもあっていいカプセルホテルでした。
そしてチェックアウトして荷物をおいた後、ホテルの前にあった屋台で雞蛋糕という、鳥の形した人形焼みたいのを食べたあと、
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MTRに乗って再び台北國際會議中心に向かいます。

ライブ

すると、開演の1時間前、16:00に着いたにも関わらず結構な人だかりが。
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どうやらチケットを現地で発券する人が結構多いらしく、チケット受け取れるまでかなり待つらしい。
30分経ってもその発券列が進まず、開演に間に合わないんじゃないかと、ハラハラドキドキしましたが、なんとかぎりぎりで発券でき、開演に間に合いました。
ライブの様子はまあ、ニュースサイトの記事などをご参照ください。
www.gamer.ne.jp
個人的な感想はこんな感じ。

  • ミリオンは正直あんまり知らずに行ったので、付いていけるか不安だったんですけど、そこは普通に楽しめました。もともと渡部優衣さんとか麻倉ももさんとか、声優さんは知っている人が少し居たので。
  • ミリオン組と765組の対比がなかなかおもしろかったり。ミリオン組は若さが溢れていますなー。それに対して765はもうやっぱ堂々たる貫禄というか。
  • 歌は、もちろんどれも良かったんですけど、個人的には「Persona Voice」が結構良かったです。二階堂千鶴って、偽セレブとか言われてるけど歌はカッコイイのね。
  • もちろんジャングル☆パーティーもとても楽しかったです。
  • ミリオンもきちんと追っかけないとなぁ
  • シンデレラ組もいつか海外公演とかできるといいなぁ

ライブ後

ライブを楽しんだあとは、メトロに乗ってカルフール西門に行き、夕食に牛肉麺と小籠包を食べたりしながら(ライブのMCに沿うなら臭豆腐なんだろうけど、あれは本当に無理なので……)
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お土産を買ってホテルに戻りました。
明日はいよいよ最終日ということで、お土産を買いまくる予定です。
続き。
amamako.hateblo.jp

NHKに本当に求められていたベスト・アニメは、「アニ軽10」だったのではないだろうか

いやー、炎上していますね。NHKが発表した「ベスト・アニメ100」。
mantan-web.jp
www.j-cast.com
fujipon.hatenablog.com
投票形式が熱心なファン有利の仕組みだから仕方ないとか、今本当に人気がある作品はこれなんだよと言われれば、そうかもしれないんですけど、それでもやっぱり、「これがNHKが選んだ、ベストアニメ100本です!」と言われると、「えー……」としか言い様がないのが正直な所。
しかし、じゃあ一体何が気に入らないのかと言われると、うーんなんだろうなぁ、と思っていたところで、思い至ったのが、この記事でした。
anond.hatelabo.jp
この、いくつものパロディ記事を生み出した、はてな匿名ダイアリー史に燦々と輝く名エントリー、「アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本」、通称「アニ軽10」。この記事のような感じ、「オタサーのOBが飲み会にやってきて、現役のメンバーに説教かますようなうっとうしさ*1が、あのランキングには足りないのですよ。そして、僕らがNHKにもとめている感じっていうのは、そういううっとうしさだったんじゃないかなぁと、そう思ったわけです。
思えば、今回NHKが発表したランキング、これが例えばどっかのアニメ専門チャンネルとかが発表したランキングだったら、「あー関係者の兼ね合いでそういうランキングにするしかないのね」と思えるし、あるいは民放の番組が発表したランキングなら、「まあ、特に詳しくもないのに、ネット投票とかやっちゃえばそうなるわな」と納得できちゃうと思うんです。しかしですね、あのNHK、それも過去にはマンガ夜話やらで存分にオタク教養主義を振りまいてきたBSプレミアムがやる特集なんだから、やっぱりこう、「お前ら今時のアニメしか知らないだろうから、アニメ史において重要なメルクマールとなったこういう作品もきちんと見なさいよ」ぐらいの押し付けがましさを。みんな心の奥底では求めていたと思うんです。
それがなんですか、あのランキングは、何若者に媚びようとしちゃったりしてるんですか。あなたに求められているのはそーいうことじゃないんですよ。飲み会で滔々と過去の名作について語っちゃって、去った後の二次会で「あの先輩うざかったねー」と陰口叩かれたりしながら、しかし中にはその語りで興味持っちゃった人が、飲み会終わった翌日にTSUTAYAでDVD借りてきて見て、「やっぱりあの先輩、うざいけどすごいよなぁ」と思ってくれる、そんな役割こそ、NHKの役目なんじゃないですかと。現役メンバーに媚びて適当に若者に合わせて相槌打ってるような先輩になっちゃったら、居なくなったって誰も気づかなくなっちゃいますよ!


……しかし改めて読むと、このアニ軽10。ほんとねちっこくてイイなぁ。

香菜、頭をよくしてあげよう

香菜、頭をよくしてあげよう

マンガ夜話 第1期 DVD-BOX

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げんしけん (9) 限定版

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追記(2017-05-05 14:38)

ちょっと自分で「アニ軽10」みたいな感じでベストアニメをやってみました。
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台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー3:高雄編

台湾旅行3日目は高雄を観光します。

龍虎塔

高雄に来たらとりあえず行っとかなきゃいけないでしょうということで、龍虎塔へまずは行ってみることにします。
ホテルからメトロで台鉄高雄駅まで行き、そこから台鉄で左営駅まで行き、そこから徒歩で15分ほど歩くと龍虎塔へ着きます。
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とりあえずセオリーに従って龍から入り、2つの塔を登るわけですが、これがなかなかきつかった……双方ともに六階建てで、足して計十二階建ての建物を昇り降りするわけで、まー、正直装飾とか見る余裕ないです。
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眺めはいいんですけどねー。
というわけで2つ登って降りて、虎の頭から出てきたときはもう疲労困憊、歩いて戻る気力もなく、バスにて地下鉄の駅まで行き、そこから今度は西子湾駅へ向かいます。

西子湾

西子湾ではまず打狗鐵道故事館へ。
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ここは昔の台鉄高雄港駅をそのまま展示室っぽくしているみたいですね。駅長室とかはそのまま保存していたけど、保存車両とかはそれほどなかったです。
ひと通り見た後は今度は駁二芸術特区という場所へ。ここはなんかパブリックアートが色々展示されていて、ライブハウスや映画を上映しているところなんかもあったりして、文字通り文化的な地区でした。
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そんな一角に哈瑪星台湾鉄道館というのを発見。
哈瑪星台湾鉄道館
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これは鉄分が補給できるかなと思い入ってみるとドンピシャ。台湾鉄道の模型ジオラマがあり、台湾各地の駅が再現されていました。
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ここは横浜の原鉄道模型博物館と提携しているらしく、原氏が台湾に来た時の写真が飾ってあったり
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原氏のコレクションがあったりしました。
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個人的には打狗鐵道故事館より良かったです。
というわけで、哈瑪星台湾鉄道館を楽しんだあとは、昼食に葱油餅を食べたりしながら
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フェリーに乗って旗津半島へ。
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旗津半島

フェリー乗り場からすぐのお寺に行ってみます。
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ここも規模は小さくてローカルな雰囲気がいい感じ。
お寺の前にかき氷屋さんが合ったのでマンゴーかき氷をいただく。
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小を頼んだけどそれでも食べきれないほどの量がありました。でも美味しかったのでぜんぶいただく。
お腹いっぱいになったところでフェリー乗り場へ。途中なんでこんなに古びちゃったかわからない日本の漫画のポスターが貼ってある本屋を眺めながら
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打狗英国領事館

フェリーに乗って戻り、そこから山をひたすら登ります。
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着いたのは打狗英国領事館。
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山の上ということで、眺めがなかなか良いです。
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ジョンブルらしい名言を読んだり。
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蝋人形で再現された当時の様子を見たり
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していたら、19:00になり、閉園時間ということで退出。夜景見れたら綺麗だったろうにな―。
ま、夜景は別のところで見るかーということで、途中、変なキャラが飾ってあるのを眺めながら
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歩いて地下鉄の駅に戻り、そこから地下鉄で凱旋駅へ行き、LRTというのに乗ります。
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高雄85ビル

LRTで終点まで行き、そこからちょっと歩いて、高雄85ビルというところに行きます。
入り口はホテルのロビーっぽい所なんですが、そこから展望台へのエレベーター乗り場に行き、お金を払うとエレベーターに乗れます。
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エレベータはこのように天井にきれいな星空が投影されていて結構楽しかったり。
ビルの展望台からの眺めはこんな感じでした。
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ハローキティーのお酒が売っていたり
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テレサ・テンの展示もあったりします。
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人もほとんどいないので、おちついてのんびり夜景を堪能できました。
この日の観光はこれで終了。ホテルに戻ります。
続き。
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台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー2:台南~高雄編

台湾旅行二日目は主に台南を観光します。

台南

というわけで、朝起きてホテルを出発、台湾高速鉄道(高鉄)で一路台南へ。
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社内では買った排骨飯の駅弁を食べます。
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そして高鉄台南駅へ到着、ここから台鉄に乗って台南駅を目指します。
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社内の駅名表示板でエラーが出ていて、どこで降りるか少しドキドキしたりしながら
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台南駅へ到着。
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ここからまずはバスで神農老街を目指します。
台南は地下鉄とかがないので、交通手段はバスかタクシー。しかしタクシーが苦手な僕はバスで行こう!と思ったわけですけど、バスのりばが2つあるし、その2つどちらにもひっきりなしでバスが来るし、時刻表も複数あってどれが正しいかわからないしで、どのバスに乗ればいいのかイマイチよくわからない……うろうろして30分ぐらい時間を無駄にしてしまったので、普通の人はおとなしくタクシーを使うことをおすすめします。
とりあえずなんとか乗れた88番というバスに乗り、神農老街という場所に到着。
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雰囲気ある建物を見ながら奥に行ってみると、奥でこれまたいい感じのお寺を発見。
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台湾のお寺は、大きいところより、こういう町中にある小さいお寺の方が、雰囲気があって好きです。
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お寺の前に犬ものんびりしていたり。
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そして神農老街では、「肥猫故事館」というところでお茶を。ご想像どおり、猫カフェです。なんか猫カフェばっかり行ってるなー。
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ここではレモン蜂蜜ティーをいただきました、
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神農老街を散策した後、次に向かったのは赤崁楼。
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オランダ統治時代のものはこの壁ぐらいで
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あとは中国っぽいものが中心。
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日本人の銅像もあったりしました。
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というわけ赤崁楼見学の次は林百貨店へ。
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屋上には林の旗がひるがえり、
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屋上神社まであったり。
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ここでお土産なんぞを買ったりしました。
さてでは戻るかと思って台南駅へ戻ると、近くになんかペンギンがいる建物が。
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どうやら昔の台湾総督府の台南出張所で、今は色々ベンチャー企業とか、文化産業とかを支援する場所になっているみたいです。
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ペンギンかわいいなー
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そんなこんなで台南観光を一通りした後、台南から今度は台鉄・高鉄・メトロを乗り継いで高雄へ。

高雄

高雄に来た一番の目的は、何と言っても高捷少女です。
というわけで高雄メトロの駅構内を歩き回っていると、いるわいるわ。
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等身大パネルとかもあったりします。
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また、塩埕埔駅にはこんな展示もあったり。
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あと、最近は高捷少女以外にも女性向けのキャラも居るみたいですね。こっちは検索しても情報が見つからないのでいまいちよくわからなかったり。
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というわけで色々見て、美麗島駅のグッズ売り場で色々グッズも買ったりしました。
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美麗島駅もきれいですねー。
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というわけで色々見た後に、高雄でのお宿ルイグウホテルにチェックイン。
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した後に、六合夜市で夕食をとることにします。
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食べたのは、大腸包小腸(もち米で包んだソーセージ)と、よくわからない赤い野菜、それとエビの挙げたのに、サトウキビジュースと酸梅湯(梅ジュース)でした。
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夜市でも猫パシャリ。
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というわけで2日目は終了しました。
続き。
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台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー1:猴硐~台北編

というわけで、やっとここから台湾旅行本番。桃園国際空港から、桃園MRTで45分ぐらい掛けまずは台北駅まで行き、そこから台鉄に1時間ぐらい揺られて着くのが、猴硐(ホウトン)です。ここは、昔炭鉱で栄えた地区で、今はその炭鉱の跡地の廃墟と、猫がいっぱいあることで有名な観光スポット。つまり、廃墟と猫という、インターネットで人気の二大コンテンツが一度に楽しめるわけです。
というわけで、駅の改札をでてみると、早速猫が。
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駅を出て地区を散策していると、10歩ぐらい歩くと一匹、猫にエンカウントします。
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来たのが朝09:30ぐらいだったからか、みんな眠そうでしたが、それもまた良い。
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地区にはこんな標識も。
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また、炭鉱の精炭所の廃墟もなかなか趣があります。
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一通り猫と廃墟を堪能した後、「217珈琲」という猫カフェで昼食を。
www.tabitabi-taipei.com
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店の中で猫を見ながら
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美味しいコーヒーとビスケットをいただきました。
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台北へ

その後1時間ぐらいかけて台北に戻り、台鉄のお店
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を見たり、本屋を眺めたり
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した後、国父紀念館へ。
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衛兵交代式を見学。
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とりあえず荷物をおきにホテルへ。
1泊目はヘイベアカプセルホテルという場所へ。
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キレイ目のカプセルホテルでした。
チェックインして荷物をおいた後、再び市内観光へ。
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Xiaomiのお店に行ってみたり
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行天宮を見たり

西門町

西門町へ行ってみる。
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西門紅楼は残念ながら改修中っぽかったです。
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スイカジュースを飲みながら西門町をぶらつく、
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なんか西門町の萌えキャラがいろいろな所にいたので採集。
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「ILL:渡辺明夫」だそうで。検索しても中国語のページしか出てこなくて詳細はよくわからない。
また、これ以外にも色々アニメっぽい看板が。
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台湾のオタクビルと呼ばれてるらしい「萬年商業大樓」というビルへも行ってみる。
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ビルの中のゲーセンで太鼓の達人を発見したり。
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ちょっと歩いて、アニメイト台北店へも行ってみる。
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アイマス765ミリオン台湾ライブの告知広告があったり。
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台北地下街

続いて台北地下街へ。こっちもオタクコンテンツが盛ん。
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メイド喫茶もあったり
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なんかレゴで色々日本のアニメやゲームのキャラクターを再現しているものが飾ってあったりしました。
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けものフレンズもあった。すごーい。
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そんな地下街で夕飯を食べました。
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その後夜市をぶらぶらした後
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ホテルに戻り就寝しました。
続き。
amamako.hateblo.jp

台湾旅行に行ってきました(2017/4/19-23)ー0:浜松~桃園国際空港編

台北101
というわけで、台湾に行ってきました。

今回の旅の主な目的

  • 猴硐猫村で猫と戯れる

www.taipeinavi.com

  • 高雄で高捷少女を見たり、その他台湾の萌えキャラ採集

sazanami.net

  • アイマス765ミリオン台湾ライブに参戦したり

www.famitsu.com
ま、ほかにも色々行ってきました。

出発

まずは浜松に行き、中部国際空港行きのバスを待つ。
少々時間が余ったので、ビックカメラに寄るとこんなのが。
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今回の旅のテーマは萌えキャラ採集であるのでまずは1人目。
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こんなのも居た。浜松は現在大河フィーバー中。
そうこうしている内に中部国際空港行きのバスが来る。
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19:00発で21:45ぐらい着の最終便だったので、乗客は数人程度でした。
そして中部国際空港に到着。しかし台湾・台北桃園国際空港行きの便はこれから4時間後の1:40出発なのでまだかなり時間がある。というわけでブロントで夕食としてピザとビールを頼み、のんびりする。
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多分今回の旅行で一番お金出した食事。
23時ごろ閉店なので店を出、チェックインが開始されたのでチェックイン。
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今回の旅行ではタイガーエア台湾を利用しました。別に他のLCCと比べられるほど乗ってはいないので、比較はできないんですが、印象としては結構良いんじゃないでしょうか。荷物の重量制限も10kg程度で結構ゆるいし、クルーの愛想もよかったし。
そして出国審査を経て制限エリアへ。
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だーれもいない……
どうやらこの便が中部国際空港を出発する最後の便みたいでした。
で、誰もいない空港ってのもなかなか新鮮なのでぶらついていると搭乗時刻になったので搭乗。席はけっこう空いていて、三人がけの席に僕一人という結構快適な状況。
といってもLCCなので特に機内ですることもないし、こんな時間なので就寝。

桃園国際空港

で、3時間ぐらいのフライトの後、台湾時間03:40ぐらいに桃園国際空港着。
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事前に調べた情報で、桃園国際空港に深夜に到着したときは、トランジットエリアで仮眠をとるのが良い
www.aims-trip.info
ということだったのでトランジットエリアへ。
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なるほどなかなか快適でした。
ただ、ここで問題が。事前に僕は日本で、台湾で使えるというSIMカードを買っていたんですが、これがどーにもうまく設定できない。で、仕方ないから空港で買おうということになったわけですが、空港のSIMカード売り場が開くのはどうやら一番早い売り場でも07:00以降じゃないとだめ。
www.tenmugi.space
というわけで、本来だったら06:00頃空港を出発するはずだったのが、なんやかんやで07:30頃出発することに。まーでも、今回の旅で失敗したことといったらこれぐらいでした。
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暇になった時間飲んでた台湾コーラ。というか旅行中はずっと飲んでた気がする。
続き
amamako.hateblo.jp

オタクが死んだ後に残るもの

けものフレンズbyニコニコ動画
p-shirokuma.hatenadiary.com
はてブでは結構叩かれているけど、個人的には納得いく話でした。
はてブのコメントでは以下のコメントと同じ感想を持ちました。

  • id:hepta-lambda 確かに昔から同好の士との交流はあったけども、1人で考え込む時間を全く取らず視聴後すぐに他者の感想にアクセスすることが可能になったってのは大きな違いだとは思ってます
  • id:masao_hg 1人でコンテンツと向き合うのが前提だから「おれ」と「あなた=オタク」とで分ける必要があるわけで、みんなが繋がってる現在の「オタク」は「オレら」になるわけですよ。
  • id:namasutenohito 同意。アニメなりゲームなりの作品と自分とで一対一で相対している時間と密度は確実に薄まったと実感している。ネット導入以前は作品への想いを煮こんで濃縮させてドロドロになったソレを外に出す場所が無かった感。
  • id:an56 記事も映像も何でもコメントつくのが当たり前になって他人を知る機会は無茶苦茶増えた。タチコマが同期する感じで平準化するような矯正も働いてるのかな
  • id:cider_kondo 「昔のオタクは、空間的にも情報的にも切り離されていることが多く、それがため~」が最重要なのだが(自分やシロクマ先生のような)老害には自明過ぎて太字にすべき要点と気づけず、そこ見落とした若者が論難する悲劇
  • id:lady_joker 私の場合は、SNSに自説を投げて反証をもらいつつ、論を練り上げてる部分がある。対象とサシで向かい合う時間も必要だけど、人間ひとりの能力なんかたかが知れてるので、そこ リソースを使いすぎるのは全く無意味
  • id:echorev 良くも悪くもインターネット集合知がコンテンツとの向き合い方を変えたっていうのはあると思うね

コンテンツに対する評価は「その人の好み」「そもそもその作品をどういう作品として見るか」という二つの要因によって決まる

そもそも人は、アニメ・漫画・ゲーム・ラノベといったコンテンツを消費するとき、一体どのような要因に基づいてそのコンテンツを「面白い」「つまらない」と評価しているのでしょうか。
「その人の好み」というのももちろんあります。例えば、かわいい女の子がキャッキャウフフする作品が好きな人は、『けいおん!』とか『ゆるゆり』が好き。戦場とか殺し合いが好きな人は、『進撃の巨人』とか『幼女戦記』とかが好き。お仕事作品が好きな人は『花咲くいろは』とか『SHIROBAKO』とかが好き、という具合です。
一方で、「そもそもその作品をどういう作品として見るか」という要因の違いもあります。例えばとても話題になった『けものフレンズ』なんかは、ゆるふわなキャラクターたちがほんわかしたやり取りをする作品、として見る人もいれば、動物の形態描写の細かさに注目する人もいるし、作品の裏にある設定にSFっぽさを感じる人もいる。さらには、骨しゃぶり氏(id:honeshabri)やねこねこ氏(http://nekodayo.livedoor.biz/)のように、文明批評のメッセージまで感じる人までいたりするわけです。
honeshabri.hatenablog.com
ねこねこブログ : けものフレンズはなぜ見ていて泣きたくなるほど切ないのか。寂しいフレンズ達と題名『けものフレンズ』 - livedoor Blog(ブログ)
このような二つの要因の違いによって、まったく同じコンテンツを消費しているにもかかわらず、消費している人の間で「あの作品は面白かった」「あの作品はつまらなかった」みたいな評価の違いが生まれてくるわけです。

SNSといったWebサービスは、小集団内で作品の見方を均質化していく

そして、2ちゃんねるふたば☆ちゃんねるみたいなウェブ掲示板、Youtubeニコニコ動画といった動画共有サービス、twitterやLINEといったSNS、AbemaTVみたいなネット中継サービスは、先に挙げたコンテンツ消費の評価における二つの要因、

  • その人の好み
  • そもそもその作品をどういう作品として見るか

に影響を与え、特に、2つ目の「そもそもその作品をどういう作品として見るか」という点に大きな影響を与えています。その影響は、端的に言えば、「個人から小集団へ」ということです。
例えば、あるアニメを見ているとき、昔だったら、その作品をどうやって見るかとか、そうやってみた作品を自分は好むかどうかという点は、あくまで自分一人の知識・選好によって決められるものでした。自分がその作品をみて「これは熱血ものだな」「これはSFものだな」と決め、そしてその上で「自分は熱血もの嫌いだからこの作品嫌いだな」、「自分はSFもの好きだからこの作品好きだな」と評価を下すわけです(実際は、もちろんもっと複雑な過程で評価は決定されるんですが、ここでは単純化しています)。
もちろんそのあとに、その自分の中で定まった評価を基に、即売会やらオフ会やらでコミュニケーションをして、そしてその中で当初の評価に修正をすることもあるかもしれません。ですが、そこでも一番最初の準拠点となるのは、自分が一番最初に一人で見た時の感想、ファースト・インプレッションであり、そして、人は往々にして、認知的不協和を嫌がりますから、その最初に見た感想を強化する方面で、コミュニケーションによる修正を行いがちになるのです。
しかし、このようなコンテンツ消費のやり方は、先に挙げたようなWebサービスの登場により大きく変わったわけです。
例えば、僕の弟なんかはよく、アニメを見ていて気になったセリフとかがあると、アニメをみながら手元のスマホtwitterでタイムラインを見たりするわけです。そうすると、twitter上では、そのセリフに対してリアルタイムで、そのセリフは以前のこういう伏線を解消するセリフだとか、あるいは逆にそのセリフは以前描かれたこの設定と矛盾するのではないかとか、はたまたそのセリフには実は元ネタがあって、このセリフはその元ネタに対するオマージュであるとか、そういった情報が即座に書き込まれるわけです。そして、そういった情報を見ながらアニメを見れば、当然そういった情報に接しないでアニメを見る時とは、「そもそもその作品をどういう作品として見るか」という、作品の見え方も変わってくるわけです。
具体的にどう変わるかといえば、それは、その人が属する小集団全体で、作品の見方が均質化していくということです。今までなんで同じ作品を見ているはずなのに、その作品をどう見るかが異なってきたのかといえば、それはひとえに、個人個人で、作品を見る際に前提となる知識が異なっているということでした。しかし、SNSといったWebサービスを用いれば、コンテンツを消費している小集団の人々が持っている前提知識が、即座に小集団全体で共有できるようになるのです。そうなってくると、当然、作品をどう見るかという点も似たり寄ったりになっていき、あとは、そうやって見えた作品をどう評価するかという、個人の好みの違いのみが、評価の違いの要因となってきます。
しかしSNSの特性上、人々は同じような好みの人間とつながりたがりますから、その評価の違いもそんなに大きなものにはならず、結果として、作品の評価自体が、個人で持ち、一人ひとり異なるものであったものから、小集団で共有するようなものとなっていくのです。

この変化は良いことか悪いことか

このような変化を、私たちは一体どう受け取るべきなのでしょうか。
ある面ではこれは、それこそ、コンテンツ消費において「個性」というものが消滅していき、多様性がなくなっていく過程として、悲観的にとらえることができるでしょう。僕自身、割と古いタイプの人間なので、SNSごときに自分の感想・評価を左右されてしまうというのはどうにも恐ろしく感じますし、色々な見方ができるようになるのは、確かにいいことなのかもしれないが、しかしその反面、一つの見方に則って深く考えることができなくなってしまうのではないかといった危惧も感じます。特にSNSなんかを見ていると、ある作品に対する評価がいったんある小集団の中で定まってしまうと、それに対して異を唱えることがかなり難しくなり、個と個が独立した個人として対話する機会っていうのは、ほとんどなくなってしまっているように見えたりするわけです。
ただ、そうやって悲観的な見方ができる一方で、このようなSNSで小集団に溶け込み、自我の境界をなくしながらコンテンツを消費することが楽しくないかといえば、それもウソになるわけです。さらに言えば、昔の、コンテンツを消費しながら知識を即座に共有できるような環境がなかったオタクは知識が少なくて、一面的な見方しかできなかったが、今の人々は知識を即座に共有でき、多面的な見方もできるようになったと言うこともできるわけです。
僕は、まだまだ前者のような悲観的な見解ですが、このようなコンテンツ消費のやり方が当たり前になった、若者たちの間からは、いつか、そんな悲観的な老人たちをあっと驚かせる新たな才能が生まれてくるのかもしれませんね。